2010 Fiscal Year Annual Research Report
脂肪肝改善に関与する核内受容体の研究:新規病態モデルの確立と治療応用への展開
Project/Area Number |
22590354
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
井上 裕介 群馬大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (90304302)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
行木 信一 群馬大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (80302959)
桑原 正靖 群馬大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (40334130)
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Keywords | 核内受容体 / 肝臓 / 脂肪肝 / HNF4α / PPARα |
Research Abstract |
HNF4αは肝臓で高発現する核内受容体であり、多くの肝臓特異的遺伝子の発現を正に制御している。肝臓特異的HNF4α欠損マウス(HNF4α-KOマウス)は、血糖値の低下や脂肪肝などの多くの表現型を示し、最終的には生後10週間程度で死亡する。このマウスとPPARα欠損マウスを交配させてHNF4αとPPARαを欠損したダブルKOマウスを作成したところ、ダブルKOマウスは脂肪肝の改善と寿命の延長を示した。そこで、HNF4α-KOマウスにおけるPPARαの欠損効果を解明するために、HNF4α-KOマウスとダブルKOマウスの生化学検査を行った。この結果、HNF4α-KOマウスは正常マウスと比較して血清コレステロール値とトリグリセリド値の顕著な減少を示した。さらに、ダブルKOマウスではHNF4α-KOマウスと比較してトリグリセリド値が約2倍に増加していた。この結果から、ダブルKOマウスでは肝臓からのトリグリセリドの輸送が亢進した結果、脂肪肝が改善したと推測された。また、マイクロアレイとノーザンプロットによる発現解析の結果、HNF4α-KOマウスでは脂肪酸酸化に関与する多くのPPARα標的遺伝子群の発現が増加したが、ダブルKOマウスではこれらの発現低下が認められた。以上の結果は、HNF4α-KOマウスにおいてPPARαによる脂肪代謝遺伝子群の活性化が脂肪肝を引き起こす一因であることを示唆している。現在は、HNF4α-KOマウスにおけるPPARα活性化機構を解明するために、PPARα標的遺伝子のプロモーターに対するHNF4αとPPARαのDNA結合能と転写活性化能の解析と、PPARαアンタゴニストによりHNF4α-KOマウスの表現型が改善されるかどうかを検証している。
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Research Products
(2 results)