2010 Fiscal Year Annual Research Report
間葉系細胞の性格を持つcancer stem-like cellsと血管性ニッチ
Project/Area Number |
22590357
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
岩下 寿秀 浜松医科大学, 医学部, 教授 (00283432)
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Keywords | アストログリア / オリゴデンドログリア / GFAP / 間葉系細胞 / alpha-SMA |
Research Abstract |
Adherent cultureしたSBA陰性細胞の培養液中にcAMPを加えるとGFAP陽性のアストログリア細胞またはCNPase陽性のオリゴデンドログリア細胞の2種類の細胞に分化する。一方、adherent cultureしたSBA陽性細胞にcAMPを加えても、GFAP陽性またはCNPase陽性細胞は見られなかった。しかし、SBA陽性細胞およびSBA陰性細胞にはTuj-1またはMAP-2陽性の神経細胞は全く見られなかった。SBA陽性細胞およびSBA陰性細胞の性格を把握するために、約27,000 probe setsが載っているFilgen社製のマイクロアレイにて、SBA陽性細胞及びSBA陰性細胞の網羅的遺伝子プロファイルを行うと、SBA陽性細胞にはAPEG-1 (AORTIC PREFERENTIALLY EXPRESSED PROTEIN 1),I型collagen, III型collagen, fibrillin-1等の間葉系細胞に発現する遺伝子がup-regulationされていた。一方、SBA陰性細胞ではCNPase, SOX10, proteolipid protein等のオリゴデンドログリアに発現する遺伝子がup-regulationされていた。実際、TGF beta 3でSBA陽性細胞と陰性細胞を刺激すると、Alpha Smooth muscle actin陽性のmyofibroblastに分化した細胞が見られた。また、骨芽細胞へ分化を誘導する培養条件でSBA陽性細胞と陰性細胞を培養すると、SBA陽性細胞のみにalkaline phosphatase陽性の骨芽細胞様細胞が出現した。以上の結果から、SBA陽性細胞は間葉系細胞に分化する能力があり、SBA陰性細胞にはグリア細胞に分化する能力があるものと考えられた。
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