2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22590358
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
清川 悦子 京都大学, 医学研究科, 講師 (80300929)
|
Keywords | FRET / MDCK / 腺腫 / 極性 / 分裂軸 / がん |
Research Abstract |
(1) 極性が形成された後に蛋白質の活性化・不活性化を誘導的に操作するために、 FRB-FKBPのラパマイシンによるオリゴマー化システムを用いた。これにより低分子量G蛋白質のRac1を活性化・不活性化することが可能となった。また、脂質に関しては、PI3kinaseに加えて、PLD,DAG kinaseを誘導的に発現させることに成功した。以上の動態はFRETバイオセンサーを用いて確認している。Rac1に関しては、管腔形成の初期に活性化・不活性化を誘導するとどちらの操作によっても管腔形成が阻害されるのに対し、後期では不活性化による形態変化はないが、活性化によって内腔側に細胞が埋まって腺腫様構造を取ることがわかった。リアルタイム観察により、この構造は、タイトジャンクションの崩壊により、極性破綻・細胞分裂軸の乱れが誘導されたことによるものであることがわかった。Rac1の活性化は大腸癌・乳癌などでも知られているので、そのモデルとして有用であると考える。 (2) 基底様乳癌樹立のための乳腺細胞株の選定を行った。ヒト由来のMCF10A、マウス由来のEph4およびその亜株のJ3B1では、J3B1が再現性のよい管腔形成、遺伝子導入率などが優れていることがわかった。またマトリクスの種類により球状になる場合と、チューブ状になる場合があり、実際の乳腺組織の構造を模していると考えられた。また、基底様乳癌の遺伝子変異において重要であると思われるBRCA1を制御するためにId4のcDNAを得、発現の確認を行った。MDCK細胞では形態変化が誘導されなかったので、マウス乳腺細胞で発現する準備を進めている。
|
Research Products
(11 results)