2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22590358
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Research Institution | Kanazawa Medical University |
Principal Investigator |
清川 悦子 金沢医科大学, 医学部, 教授 (80300929)
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Keywords | FRET / MDCK / 腺腫 / 極性 / 増殖 / がん / 細胞周期 |
Research Abstract |
1.極性が形成された後に蛋白質の活性化・不活性化を誘導的に操作するために、FRB-FKBPのラパマイシンによるオリゴマー化システムを用い、腎尿細管由来のMDCK細胞を用いた3次元構造ではRac1の活性がアピカル側で低く抑えられていることが形態を維持するのに重要であることを報告した。 2.任意のポイントで標的蛋白質を発現させる、植物ユビキチンシステムAIDをMDCK細胞に適応し、活性型Rasや、乳癌で発現上昇が知られているRac1bを発現する系を構築した。細胞周期の蛍光センサーFucciを用いて.活性化型Rasでは細胞周期の促進により細胞が内腔に満ちてくることを観察した。Rac1bでも細胞が内腔に満ちるが、FRETバイオセンサーでカスパーゼの活性を観察により、アポトーシスが抑制されていることが示唆された。 3.AIDシステムを用いて、変異TP53を発現するMDCK細胞を用いて構築したが、形態変化は見られなかった。この時、発現量は内因性の蛋白質よりと同じ程度であったので、別の経路の異常がないと形態変化を起こさない可能性が示唆された。 4.AID-ID4を発現するMDCK細胞・J3B1細胞(マウス乳腺由来)を樹立し3次元構造における変化を見たが、形態異常は起こさなかった。ID4の発現量はMDCKでは内因性よりも多く発現していたがEph4では少なかった。J3B1細胞ではRNA干渉法を用いて発現を低下させ、AIDシステムを用いてPTEN発現を保つ細胞を樹立したが、同様に発現量が内因性のものよりも低い結果を得ている。PTENに関しては発現低下させても形態変化は観察されなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
MDCK細胞では単一の遺伝子操作では形態変化が起きない場合があることがわかり、複数の異常を導入する必要がありその方策が必要である。また、J3B1細胞では上記の問題に加えて、ウイルス感染による過剰発現はMDCK細胞に比べて発現量が低いという難点があった。
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Strategy for Future Research Activity |
結果2については論文にまとめる。複数の遺伝子異常については薬剤耐性の異なるプラスミドを構築し複数の遺伝子変化の導入を試み、また特異的阻害薬がある場合はそれを用いる。発現量の制御はウイルス濃縮を試みる。
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Research Products
(12 results)