2011 Fiscal Year Annual Research Report
非機能性変異二量体S19リボソーム蛋白質産生マウス作製
Project/Area Number |
22590362
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
西浦 弘志 熊本大学, 生命科学研究部, 助教 (90284760)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
荒木 喜美 熊本大学, 生命資源研究・支援センター, 准教授 (90211705)
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Keywords | S19リボソーム蛋白質 / 貧血マウスモデル / ノックインマウス / ダイヤモンドブラックファン貧血症 |
Research Abstract |
S19リボソーム蛋白質遺伝子異常が、先天性赤芽球癆ダイヤモンドブラックファン貧血症患者25%に発見された。我々は、赤血球形成におけるS19リボソーム蛋白質単量体の抗アポトーシス作用による増殖期分化細胞の維持とS19リボソーム蛋白質二量体のアポトーシス増幅作用による成熟期分化細胞の脱核を想定している。この理論は、S19リボソーム蛋白質遺伝子ノックアウトマウスが胎生致死であったことが増殖期分化細胞へのアポトーシス作用が想定される。一方、非機能性変異S19リボソーム蛋白質二量体産生をマウスに導入すると、正常機能性変異S19リボソーム蛋白質単量体により増殖期分化細胞は維持されるので胎生致死は免れ、脱核不全による赤芽球激減の再現が期待できる。この仮説を証明するために、非機能性変異S19リボソーム蛋白質二量体産生マウス作成の計画を立案する。 平成22年度の計画どおりに、マウスS19リボソーム蛋白質遺伝子の第5エクソン末端CAGをGAGに置換した変異マウスS19リボソーム蛋白質遺伝子をブルースクリプトベクターに導入した。変異マウスS19リボソーム蛋白質遺伝子は、エレクトロポレーション法を用い、ホモロガスリコンビネイションによりマウスES細胞に導入した。変異マウスS19リボソーム蛋白質遺伝子の導入をPCR法で確認したマウスES細胞は、アグリゲイション法によりファウンダーマウスへ生着させた。平成22年度の計画どおりに、ノックインホモマウスの作製に成功した。現在、各週令の貧血状態を検討している。抹消赤血球数及びヘモグロビン量は、自動血液解析装置Advia2010で測定している。また、赤血球分化段階は、CD71・TER119で染色しFACSで解析している。また、溶血性貧血等を誘導し、赤血球数の回復動態を検査している。最後に、移植実験をして論文投稿予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ノックインホモマウスの作製に成功し、貧血の解析が終わると論文投稿の予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
ノックインホモマウスの作製に成功し、貧血の解析を行なっている。 しかし、驚くべきことにS19リボソーム蛋白質多量体機能不全マウスは、末梢血リンパ球数が激減していた。 従って、次回の研究計画としてリンパ球分化におけるS19リボソーム蛋白質多量体の機構解析を考えている。
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