2011 Fiscal Year Annual Research Report
TAX1BP1欠損マウスが形成する心弁膜病変の分子病理学的解析
Project/Area Number |
22590364
|
Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
伊波 英克 大分大学, 医学部, 准教授 (50242631)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
塚本 善之 大分大学, 医学部, 助教 (00433053)
|
Keywords | TAX1BP1 / 心弁膜炎 / アレイ解析 / SAA3 / I-κBα |
Research Abstract |
1.TAX1BP1-遺伝子欠損マウス及び正常マウス心弁膜組織のトランスクリプトーム解析 生後3、8、16週齢のTA×1BP1-遺伝子欠損マウス(以後KOマウス)、及び同腹野生型の心臓組織切片をLaser-Capture Microdissection法により単離・回収し、RNAを抽出精製・アレイ解析、遺伝子発現プロファイルを得た。その結果、428遺伝子の発現亢進と160遺伝子の発現抑制が確認された。 2.KOマウス及び正常マウス心弁膜組織の免疫染色学的観察 トランスクリプトーム解析の結果、野生型に比べKOマウスでは炎症惹起時に発現誘導が起こる蛋白質の発現増大が観察された。最も高値を示したSAA3及び炎症制御蛋白質1-KBαの発現を免疫組織学的に観察したところ、KOマウスは前者の著しい亢進と後者の消失が確認された。また電子顕微鏡による観察では、弁膜周辺に好中球・マクロファージの集積と浮腫及び繊維化組織の形成が確認された。 3.KOマウス心弁膜病変形成と常在細菌叢の関連性 KOマウス及び同腹野生型に抗菌薬投与群と非投与群に分け、計4系統のマウスの、1)血漿成分、2)免疫細胞数、3)腸内細菌叢、の量的・質的変化を解析中。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の目的であった心弁膜病変形成の機序について、アレイ解析・及び病理組織解析から責任遺伝子の絞り込みが出来た。さらに詳細な機序を解析する。
|
Strategy for Future Research Activity |
SAA3など炎症性蛋白質の発現亢進が心弁膜病変を誘導することの妥当性をさらに検証するため、TA×1BP1-遺伝子欠損マウスを人為的に無菌化し病態形成の変化を観察する。既に抗菌薬投与の効果は観察されており、現在詳細な解析を行っている。
|
Research Products
(5 results)