2012 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝子改変マウスにおけるマイクロRNAの抗腫瘍作用と心臓・平滑筋での機能の解析
Project/Area Number |
22590369
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Research Institution | Chubu University |
Principal Investigator |
岩本 隆司 中部大学, 生命健康科学部, 教授 (60223426)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
市原 正智 中部大学, 生命健康科学部, 教授 (00314013)
上山 知己 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (80379388)
中山 晋介 名古屋大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (30192230)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | マイクロRNA / 拡張型心筋症 / トランスジェニックマウス / アンジオテンシン変換酵素 |
Research Abstract |
24年度はαMHC(myosin heavy chain)miR-143/145導入トランスジェニックマウスに発症したヒト拡張型心筋症様の病態を中心に解析した。これらの1系統は生後6週より死亡し始め30週齢で約90%が死亡した。心臓超音波検査で解析した結果、左室内径短縮率、左室駆出率共に有意に低下しており、心臓の収縮不全が死因であると考えられた。実際病態が進行したマウスを解剖すると、心臓の拡張・心室壁の菲薄化が顕著であった。これらのマウスの心臓に発現している分子をウエスタンブロット法で解析した結果、インスリン様成長因子I型受容体(IGF1R)やアンジオテンシン変換酵素(ACE1)の発現が亢進していた。IGF1Rのリン酸化やその下流のAKTやMAPKのリン酸化には明らかな変化は認められなかった。そこで我々はACE1に注目してACE1阻害剤であるカプトプリルを飲用水に入れて投与した結果、生存率は劇的に改善した。これらの結果よりこのトランスジェニックマウスの病態にはACE1の発現上昇が関与している可能性が強く示唆された。そこでこの発現上昇のメカニズムを調べるためにノザンブロット法にてRNAレベルでの発現を解析した結果、トランスジェニックマウスでは発現が増強していた。 現在如何なる分子メカニズムでACE1発現が増強するかを解析中である。拡張型心筋症は難病指定されており、心臓移植適応の80%以上を占めている。2割程度が遺伝性という報告があるが、その殆どは原因不明である。その中の一部にはmiR-143/145の発現異常によるケースがある可能性が示唆され、このマウスはヒト拡張型心筋症の病態解明・診断に重要なモデルとなると考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(1 results)