2011 Fiscal Year Annual Research Report
EBウイルス関連T/NKリンパ増殖制疾患モデルマウスの作製と病態発現機構の解析
Project/Area Number |
22590374
|
Research Institution | National Research Institute for Child Health and Development |
Principal Investigator |
今留 謙一 国立成育医療研究センター, 研究所・母子感染研究部, 室長 (70392488)
|
Keywords | EBV / NOGマウス / CAEBV / EBV-HLH |
Research Abstract |
EBウイルス(EBV)がT/NK細胞に感染する疾患である慢性活動性EBウイルス感染症(CAEBV)(CD4,CD8,γδ,NKの4タイプ)とEBV関連血球貧食性リンパ組織球症(EBV-HLH)の全てのタイプの疾患モデルの作成に成功した。疾患モデルマウスはNOGマウスを利用し作製した。このモデルは患者末梢血から分離したPBMCをNOGマウスに移植することで作成されるヒト化モデルである。これらのモデルマウスが患者病態を再現していることが昨年度の研究で示されたので、今年度はこれまで明らかになっていない患者体内での感染細胞の増殖・活性化のメカニズムの解明を試みた。研究の結果、4つ全てのタイプの感染細胞は同様に非感染CD4陽性T細胞の存在が増殖・生着には必須であり、非感染CD4陽性T細胞を除いた患者PBMC(w/o CD4)をいくら移植しても感染細胞の増殖・生着は得られないことが示された。EBV感染T/NK細胞は非感染CD4陽性T細胞のヘルプが無いとNOGマウス内では生着・増殖できないことから、感染細胞の生着・増殖には次の2つの可能性が考えられる。 (1)CD4が分泌するサイトカイン・ケモカインが関与している (2)CD4の細胞表面上の発現分子が関与している 今後、上記の可能性を検討し感染細胞制御にかかわる標的分子の同定を進めて行く予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまでほとんど明らかになっていなかったEBV感染T/NK細胞の増殖・活性化のメカニズムの解明がなされ非感染CD4陽性T細胞の存在が必須であることが明らかとなった。このことにより、治療に有効である標的分子の開発につながると考えられる。
|
Strategy for Future Research Activity |
CD4陽性T細胞自体がcell to cellで必要なのか、CD4陽性T細胞が産生するサイトカイン・ケモカインのいずれ科が関与しているかを突き詰め標的分子の開発を進めて行く予定である。 NOGマウスは交配が禁止されており、必要数その都度購入しなくてはいけないためNOGマウス購入費の占める割合が大きいことが問題と言える。また、患者PBMCを移植してモデルマウスを作製するため、患者検体の有無に実験が左右される点が問題点と言える。EBウイルス(EBV)がT/NK(細胞に感染する疾患は難治性疾患であり、確定診断出来る機関が限られている。可能な限りの依頼を受けて確定診断を無料で行ない、CAEBV,EBV-HLHと診断された検体を患者の許可を得られたものを随時実験に使用されてもらうことで検体の継続的確保を目指す。
|
Research Products
(10 results)