2011 Fiscal Year Annual Research Report
条虫類の系統分類や集団遺伝解析に用いる核DNAマーカーの開発
Project/Area Number |
22590376
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Research Institution | Asahikawa Medical College |
Principal Investigator |
中尾 稔 旭川医科大学, 医学部, 准教授 (70155670)
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Keywords | 条虫類 / 系統分類 / 核DNAマーカー / 蛋白遺伝子 / 集団遺伝 |
Research Abstract |
条虫類は人獣共通感染症の病原体として医学・獣医学・水産学の複合領域で重要性が高いが、分類が混乱しているグループが少なからず存在する。本研究は、条虫類の系統解析や集団遺伝学的解析に利用可能なシングルローカスの核DNAマーカーを確立することを目的としている。現在までにEchinococcus属とTaenia属に使用できるマーカーとして、蛋白遺伝子であるRNA polymerase II second largest subunit(rpb2),phosphoenolpyruvate carboxykinase(pepck), DNA polymerase delta(pold),elongation factor 1 alpha(ef1a),ezrin-radixin-moesin-likeprotein(elp)に着目し、研究を進めてきた。特にrpb2,pepck,poldについてはテニア科条虫の系統解析に応用した。その結果、従来の定説と異なり、Taenia属が側系統群であることが示された。特に、Taenia mustelaeはEchinococcus属と姉妹群となり、この種のために新属を設ける必要性が生じた。また、ネコ条虫Taenia taeniaeformisを含む一群も他のTaenia種とかけ離れているため、旧属名のHydatigeraをこの群のために復活させることが示唆された。このように得られた結果は重要性が高く、今後、扱うタクサ数を増やし、他のDNAマーカーも併用して、Taenia属の改訂を行わなければならない。なお、これらのマーカーはTaeniasoliumやEchinococcuscanadensisにおいて、いくつかのハプロタイプを検出したので、集団遺伝解析に応用できる可能性が示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
Echinococcus属とTaenia属に使用できるマーカーは確立したが、Diphyllobothrium属についてはまだ確立出来ていないから。
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Strategy for Future Research Activity |
研究課題に大きな変更はないが、今後は分子系統学に基づき、Taenia属を改訂することが主目的となる。また、確立したマーカーにより、Echinococcus canadensisの集団遺伝解析を行ない、本種の分類学的有効性を検討する。
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Research Products
(1 results)