2012 Fiscal Year Annual Research Report
アフリカトリパノソーマ原虫の「動き」に着目した形態形成とアポトシス解析
Project/Area Number |
22590380
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
鈴木 高史 東京医科歯科大学, 医歯(薬)学総合研究科, 特任教授 (70305530)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | トリパノソーマ / アポトシス / 動き |
Research Abstract |
アフリカトリパノソーマ原虫の「動き」能力は原虫のライフサイクル進行、増殖に必須であり、従ってその病原性にも密接に関連すると考えられる。この着想によりアフリカトリパノソーマ原虫ゲノムと線虫ゲノムとの比較で見いだしたTbUNC119分子は、その結合分子TbUNC119BP (binding protein)を共にノックダウンすると、トリパノソーマ原虫細胞に「動き」の減少、形態異常、増殖停止(アポトシス)が誘導されることを明らかにしてきた。本年度も引き続きトリパノソーマ原虫の「動き」能力とアポトシスに関しての統合的知見を得ることを目的に以下の解析を進めた。 TbUNC119分子の細胞内局在を解析するために、大腸菌でリコンビナントTbUNC119分子を発現、精製した。本リコンビナント分子を用いてポリクロナール抗体を作製し、この抗体でトリパノソーマ血流型原虫での細胞内局在解析を行ったところ、TbUNC119分子は血流型では昆虫型とは異なり、主として鞭毛で発現するが、細胞質でも発現していることが明らかなった。 さらに上記抗体を培養液中に添加したところ、他分子に対するコントロール抗体の場合と異なり、濃度依存的にトリパノソーマ血流型原虫の増殖が阻害された。また、FACS解析の結果、アポトシスが誘導されていると推察された。 TbUNC119、TbUNC119BP両分子のトリパノソーマ原虫細胞の「動き」における役割を解析することを目的として、Yeast Two Hybrid解析で明らかになった相互作用部分の配列をもとにペプチドを合成し原虫細胞に導入したが、特段の表現型異常は観察されなかった。 上記の解析結果により、TbUNC119分子は血流型原虫においてワクチン標的となる可能性が示唆された。今後血流型原虫でのノックダウン解析を行うことにより、さらに本分子の機能解析を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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