2010 Fiscal Year Annual Research Report
皮膚リーシュマニア感染モデルを用いた宿主microRNAシステムの機能解析
Project/Area Number |
22590382
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
田邊 將信 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (80051928)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
下田 耕治 慶應義塾大学, 医学部, 准教授 (00129470)
木村 徳宏 慶應義塾大学, 医学部, 助教 (40445200)
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Keywords | microRNA / Leishmania major / 遺伝子欠損マウス / 免疫学 / 感染症 / 国際情報交換 / ドイツ |
Research Abstract |
microRNAは標的とするmRNAの遺伝子発現を制御することで様々な生命現象に重要な調節機能を果たしていると考えられている。私達はmicroRNAシステムの宿主免疫機構における機能解析を目的として、一種類のmicroRNA欠損マウス(特許申請の可能性があるので仮名(miRxxxK0)とした)の皮膚リーシュマニア症の病原体であるLeishmania major(L.major)感染に対する抵抗性を解析し、以下の成績を得た。 1.miRxxxK0マウスは、その発育,妊娠、分娩には異常は認められない。また全身組織の組織学的な検索においても異常は認められなかった。 2.L.major感染では、B6及びBALBバックグラウンドのK0マウスは共にB6対照群と同等の高い抵抗性を示し、足病変の腫大は軽度で、足病変内の虫体数も有意に少数であった。さらに,骨髄移植実験から,この感染抵抗性が骨髄造血系細胞に依存していることが明らかとなった。 3.BALB/miRxxxK0マウスの所属リンパ節細胞のL.major抗原に対する反応におけるTh1およびTh2サイトカイン産生量は共にBALB対照群のそれよりも有意に低値であった。 4.BALB/miRxxxK0マウスは感染期間を通して抗原特異的IgG1,IgG2a,IgG2b,IgM抗体産生が低い。 5.K0マウスから誘導したBMDCの網羅的遺伝子発現解析では、miRxxxが多様な機能分子を制御している可能性は示唆されたが、宿主免疫反応の低応答性に関わる標的分子の特定はできなかった。 以上の成績から、miRxxx遺伝子欠損マウスのL.major感染に対する高い抵抗性は、この原虫に対する低免疫応答性と関連している可能性が推定されたが、このK0マウスにおける低免疫応答性をもたらしている機構の特定には至らなかった。
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Research Products
(4 results)