2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22590396
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
仲宗根 昇 琉球大学, 医学研究科, 助教 (80175497)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小倉 裕範 琉球大学, 医学研究科, 助教 (60304557)
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Keywords | コレラ菌 / ヘモリジン / NLRP3 / MyD88/Trif |
Research Abstract |
本研究の目的はコレラ菌培養上清中にあるMyD88/Trif非依存性にNLRP3を活性化する因子を同定し、その活性化機構を解明することにある。実験計画に従い、C57BL/6マウス由来骨髄マクロファージ(WT-Mφ)及び、MyD88/Trifダブルノックアウトマウス由来骨髄マクロファージ(DKO-Mφ)にリピートトキシンRtxA欠損変異株(ΔrtxA),ヘモリジンHlyA欠損変異株(ΔhlyA)単独あるいはRtxA/HlyAダブル欠損変異株(ΔDMと略)の培養上清を反応させ、IL-1β、IL-18、Caspase1の産生をウエスタンブロット法で調べた。その結果、WT-Mφに対しΔrtxAの培養上清は各因子を産生したが、ΔhlyAとΔDMの培養上清はどの因子も産生しなかった。これに組換hlyAを添加したところどの因子も産生された。このことはIL-1β、IL-18、Caspase1の産生にはRtxAよりHlyAのほうが重要であることを示している。次にDKO-Mφに対する反応を調べて見ると、WT-Mφと同じ結果を示したが、ΔDM培養上清にATPを加えてもIL-18の産生は見られなかった。このことは、HlyAはMyD88/Trif非依存性にNLRP3を活性化し、その活性化経路はATPの添加によるP2X7の経路を利用していないことを示唆している。この活性がHlyAのpore forming活性によるものかを調べるため、組換hlyAを100℃、10分の加熱で不活化し同様の実験をしたところ、IL-18の産生は見られなくなった。このことはHlyAによるMyD88/Trif非依存性にNLRP3を活性化するには、HlyAが活性化できる状態が必要であると思われたが、今回使用した組換HlyAはHis-tag HlyAであり、常法通りNi-アフィニティーカラムで精製したが、わずかに他の蛋白の混入がみられ純品にはいたってない。現在組換HlyA粗製品をイオン交換カラム、ゲル濾過カラム、疎水性過アラムなどにかけ、さらなる純化を試みている。また、他の細菌が産生するpore forming toxinも同様に作用するのかをみるため、現在黄色ブドウ球菌α溶血毒、肺炎球菌溶血毒Pneumolysin、リステリア菌Listeriolysin Oなどの精製を試みている。
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Research Products
(4 results)