2012 Fiscal Year Annual Research Report
黄色ブドウ球菌の病原性発現におけるフィブロネクチン結合因子の役割
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22590404
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
進士 ひとみ 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (30287247)
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Project Period (FY) |
2010-10-20 – 2013-03-31
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Keywords | FnBP / 黄色ブドウ球菌 / 感染 |
Research Abstract |
黄色ブドウ球菌が保有する宿主組織への主要な接着因子に, Fibronectin-Binding Protein AおよびB (FnBPA, FnBPB)が存在する。黄色ブドウ球菌感染におけるこれら2つのホモログの機能 ―相補的に働いているのか, 独立しているのか― を調べるため, それぞれのノックアウト株および補完株を作成し, これまでにin vivoでの検討を行ってきた。その結果, 黄色ブドウ球菌感染の効果的成立には、FnBPA, FnBPB両因子が協調的に働くことが必要であるが、細胞内への侵入や血流に抵抗し得る強固な接着にはFnBPAが重要な役割を果たしている可能性が示唆された。そこで、マウスの脾臓に発現している転写因子NF-κ-Bを検討したところ、野生株の感染において大量の因子の活性化が見られたが、FnBPA欠損株の感染では活性化はほとんど認められなかった。さらに、血清中のIL-6濃度は、野生株で顕著に増加したが、FnBPB欠損株で約80%、FnBPA欠損株およびFnBPA/B欠損株で約50%に減少した。さらに、繊維芽細胞、炎症性マクロファージを用いたin vitro感染実験の結果においても、FnBPB欠損株に比べてFnBPA欠損株で細胞内への菌の侵入および炎症応答が著しく低下した。 これらの結果より、in vitro、in vivoいずれの感染においてもFnBPAがより重要な役割を果たしていること、しかしながら、in vivo感染においては両社が協調的に働くことによって、重篤な感染を惹起することが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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