2012 Fiscal Year Annual Research Report
真菌PAMPsの免疫毒性と感染症ならびに難治性疾患における意義の解明
Project/Area Number |
22590406
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Research Institution | Tokyo University of Pharmacy and Life Science |
Principal Investigator |
大野 尚仁 東京薬科大学, 薬学部, 教授 (80152213)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 感染症 / PAMPs / 自然免疫 / βグルカン / αマンナン / 免疫毒性 |
Research Abstract |
βグルカン(BG)は真菌細胞壁の主要な構成成分であり,免疫系を刺激することから真菌由来のPAMPsの一つとして知られる.また,マンナン(CAWS)は酵母の細胞壁の主要構成成分であり,致死活性ならびに血管炎惹起活性を示す.また,これまでの研究から前者の受容体はdectin-1, 後者の受容体はdectin-2であることが明らかにされてきた.BGは顕著な抗腫瘍効果を示すことから有用性については多くの研究者によって検証されてきたが,免疫は諸刃の剣であり,有害性の研究は少ない.本研究では,真菌PAMPsが自然免疫系を介して免疫毒性を示す可能性があることを様々な角度から検証してきた.本年度は,病理組織学的検討,遺伝子発現の検討,ならびにヒトでの比較試験を実施した.その結果, 1) CAWS投与によって,大動脈起始部ならびに冠状動脈に血管炎が惹起されることを明らかにしているが,他の臓器について検討したところ,肝臓,脾臓,肺,腎臓のいずれからも,炎症像がみいだされ,多臓器を障害していることが明らかとなった.2)マウスへサイトカイン遺伝子を導入し,CAWS応答性について比較検討したところ,IL-6 ならびにGM-CSF遺伝子導入によって,感受性が上昇する可能性のあることが示唆された.これらのサイトカインは血管炎発症に重要であると示唆されたものであり,それを強く示唆する結果となった.また,3)ヒトのβグルカンに対する応答性について,網羅的遺伝子発現解析を行い,BG刺激時の各検体において約250種の特徴的な遺伝子発現を見出した. これらの解析を通じて,真菌βグルカンならびにマンナンなどの真菌PAMPsが免疫毒性を示すことを明らかにした.これらの成果は治療,診断,病原性などにおける真菌ならびに真菌菌体成分の関与について有用な知見を提供したものであると考える.
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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