2012 Fiscal Year Annual Research Report
結核菌PE_PGRS62タンパク質の病原性に関する機能解析
Project/Area Number |
22590411
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Research Institution | 独立行政法人国立国際医療研究センター |
Principal Investigator |
切替 照雄 独立行政法人国立国際医療研究センター, 研究所・感染症制御研究部, 部長 (50192563)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
舩渡川 圭次 栃木県保健環境センター, 微生物部, 部長 (70536896)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 結核 / PE PGRS62 / マクロファージ / ペルオキシレドキシ1 / Prdx1 / Prx1 / 遺伝子破壊 / 病原因子 |
Research Abstract |
本研究では、結核菌タンパク質PE_PGRS62の感染における役割を明らかにするために、結核菌Erdman株を親株として作製したPE_PGRS62遺伝子破壊株(ΔPE_PGRS62/pMV306)および相補株(ΔPE_PGRS62/PMV306-PE_PGRS62)をマクロファージ細胞株J774細胞に感染させ、それぞれの結核菌の細胞内生存率を算出するために生菌数(CFU)を測定した。その結果PE_PGRS62遺伝子破壊株は、野性型株であるErdman株と比較して、感染24時間後および48時間後にマクロファージ内で生存率が低下することが明らかになった。また、ΔPE_PGRS62/pMV306-PE_PGRS62は野性型株と同程度のマクロファージ内生存率を示したことから、PE_PGRS62遺伝子が病原因子であることが強く示唆された。さらに、BALB/cマウスに野性型株とΔPE_PGRS62を感染させ、マウスの生存日数を比較したところ、PE_PGRS62を破壊することで結核菌が弱毒化することが確認された。 次に、PE_PGRS62と相互作用することで見出したPeroxiredoxin1(Prdx1)については、宿主のPrdx1が結核防御に必要かどうか明らかにするために、Prdx1-/-マウスに結核菌Erdman株を感染させ、生存日数を調べた。その結果、野性型株C57BL/6マウスに較べPrdx1-/-マウスは結核感受性が高かった。 したがって、我々が同定した結核菌病原性タンパク質PE_PGRS62が、宿主防御因子であったPrdx1の機能を抑制することが予想された。
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