2012 Fiscal Year Annual Research Report
HIVタンパク質の動態が細胞性免疫応答の抗HIV活性に与える影響
Project/Area Number |
22590412
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
立川 愛 東京大学, 医科学研究所, 准教授 (10396880)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | HIV感染症 / CTL / 獲得免疫応答 / 抗原提示 / エスケープ変異 |
Research Abstract |
HIV感染では多様な標的部位(エピトープ)に対するHIV特異的CTLが出現するが、個々のCTLによる抗ウイルス作用はその程度が異なることが知られている。CTL応答はT細胞側の要因とHIV抗原を提示する細胞側の要因により決定されるが、HIV感染ではウイルスが容易に変異するため、アミノ酸変化が抗原提示のパターンに影響を及ぼす可能性がある。私たちは2アミノ酸重複するHLA-A24拘束性の2種類のNefタンパク質由来のエピトープ(Nef126-10, Nef134-10)について、HLA-A24陽性感染者でのCTL応答とエピトープ近辺のウイルス遺伝子解析を行った。HIV遺伝子解析の結果、75%の感染者で両エピトープが重複しているアミノ酸(135)が野生型のタイロシン(Y)からフェニルアラニン(F)へ変異していた。Nef134-10特異的なCTL応答はウイルスの配列に関わらず反応が見られたが、Nef126-10に対するCTL応答はHIVが野生型である感染者では全く検出されず、135Fである感染者では全例でCTL応答が検出された。このことは135F変異がNef126-10特異的CTL応答の出現に強く関与していることを示唆している。Nef124-10についてNef発現細胞における抗原提示について解析を行った結果、野生型Nef発現細胞はNef124-10特異的CTLにより認識されないが、135F変異を有するNef発現細胞は強く認識されており、135FによりNef124-10が抗原提示されるようになったことが示唆された。昨年度までに135FはNef134-10の抗原提示を顕著に低下させることを明らかにしており、これらの研究結果よりウイルスが一アミノ酸の変異を獲得することで複数のエピトープの抗原提示が変化し、既存のエピトープが消滅、新しいエピトープが出現する事が明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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