2010 Fiscal Year Annual Research Report
SOCS1による濾胞性ヘルパーT細胞の分化及び機能制御の解明
Project/Area Number |
22590438
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
森田 林平 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (00362541)
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Keywords | 抗体産生 / 免疫学 / IL-21 / Th17 / SOCS1 |
Research Abstract |
ヒト末梢血中のCD4T細胞を用いた研究より、3種類のケモカイン受容体(CXCR3,CXCR5,CCR6)をマーカーとして、ヒト末梢血中のメモリーCD4T細胞を6つの亜集団に分離し、B細胞と共培養し産生されるT細胞サイトカイン及び免疫グロブリンを測定した。その結果TfhにはTh2タイプ(Tfh2)及びTh17タイプ(Tfh17)の2種類の亜集団が存在し、Tfh2はIgG/IgEをTfh17はIgG/IgAを誘導することを見出した。自己免疫疾患である小児皮膚筋炎では上述のTfh2とTfh17が健常人と比較して血中で有意に増加しており、その数と病勢に正の相関性があることを証明した。更にSOCS欠損T細胞を用いた解析からSOCS1欠損TregではFoxp3が急速に失われ、STAT1とSTAT3の活性化上昇と共にメモリーやTh1エフェクターへと転換することを見いだした(未発表データ)。更に興味深いことに、このSOCS1欠損マウスではIgAをはじめ血清中の抗体価が上昇しCXCR5陽性細胞数も増加している。これらよりSOCS1がFoxp3陽性TregからTfhの変換の鍵を握っていると考えられる。これを調べるためにTreg特異的にSOCS1を欠損するFoxp3CreSOCS1-flox/floxマウスを作成した。このマウスではFoxp3遺伝子にはIRES-Cre-YFPが挿入されておりFoxp3陽性細胞のマーキングが可能である。更に一旦Tregとなった後にFoxp3を失った細胞をトレースするためにRosa-GFPマウス(Foxp-Creの発現によってGFPが恒常的に発現する)との交配も行っている。
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