2011 Fiscal Year Annual Research Report
巨大転写因子を介したT細胞のpositive selectionの分子機構の研究
Project/Area Number |
22590443
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Research Institution | Institute for Developmental Research, Aichi Human Service Center |
Principal Investigator |
高木 豪 愛知県心身障害者コロニー発達障害研究所, 周生期学部, 主任研究員 (70300879)
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Keywords | 転写制御因子 / Zn-finger / T細胞 / positive selection |
Research Abstract |
我々の体を守るために働くT細胞は、様々な抗原を認識する多様な細胞集団により構成されている。このような多様性を持った細胞集団がどのようにして適切に形成されてゆくのか、よく分かっていない。自己の持つ抗原を認識するT細胞は我々にとって有害であるので、前駆細胞の段階でnegative selectionにより、細胞死を誘導することにより除かれる。一方、外部抗原を認識しうるポテンシャルを持つ前駆細胞は、positive selectionにより細胞死を免れ、成熟したT細胞へと分化してゆく。 本研究では、positive selectionに重要な役割を担っている転写因子であるSchnurri-2に着目し、この因子の解析を通して、positive selectionのプロセスの総合的理解を目指している。昨年度は、chip-on-chipの手法を用いて、positive selectionの起こる分化段階に相当するDP細胞における、Schnurri-2標的遺伝子の候補群を網羅的に同定した。本年度は、これらの候補群が本当にSchnurri-2の標的遺伝子であるのか、検討するために実験を行った。具体的には、DP細胞からSchnurri-2が結合している領域を、Schnurri-2抗体を用いて、クロマチン免疫共沈法により回収した。回収したDNA断片の中に、昨年度の候補として同定した標的遺伝子付近のSchnurri-2結合領域が含まれているかどうかについて定量性PCRにより検討した。その結果、検討した複数の標的遺伝子候補において、共沈が確認された。このことから、chip-on-chipのデータの信頼性が高まった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年行った実験の結果から、昨年度に得られた実験結果の信頼性が裏付けられたため。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの研究から、positive selectionの起こるステージのDP細胞でのSchnurri-2標的遺伝子群が同定できた。今後はSchnurri-2が、positive selectionを受けているDP細胞でのみ標的遺伝子に結合しているのか、それともそれ以外のDP細胞においても標的遺伝子に結合しているのか検討する。
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Research Products
(2 results)