2010 Fiscal Year Annual Research Report
地域内連携及び女性医師復職支援等による新たな産婦人科医療提供体制構築に関する研究
Project/Area Number |
22590461
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
金井 誠 信州大学, 医学部, 教授 (60214425)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
塩沢 丹里 信州大学, 医学部, 教授 (20235493)
大平 哲史 信州大学, 医学部・附属病院, 助教 (90397315)
坂口 けさみ 信州大学, 医学部, 教授 (20215619)
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Keywords | 社会医学 / 環境 / 地域医療 / 産婦人科 / 周産期 |
Research Abstract |
(1) 松本広域医療圏内において、分娩可能施設と健診のみ対応可能施設の連携体制を、共通診療ノートを作成して構築した。この結果、本医療圏において、帰省分娩を含める全分娩の受け入れ可能な状況を維持できた。しかし分娩と健診の施設が異なることでの不便・不満の発生を懸念し、妊産婦への無記名アンケート調査を行った結果、400人からの回答で85%の妊産婦が本体制を支持し、今後も本体制の維持を希望した。一方で、妊娠時における本体制の周知度は33%と低いことが明らかとなり、今後の課題となっている。 (2) 女性医師の職場復帰に対する意向調査を施行し、復職への課題を抽出した。さらに、女性医師の復職支援と若手医師のキャリアアップを目的として、県内の育児中女性医師と若手医師を対象に研修会を実施した。女性医師のみならず産婦人科医全体の労働体制について討議を行い、医師不足に悩む地域の周産期医療体制の立て直しに対する具体案が出された。加えて、研修会開催が育児中女性医師と若手医師の支援として非常に有用であったとの意見が大多数を占めた。 (3) 助産師外来および院内助産に必要な知識と技術の指導を目的として、胎児超音波検査と胎児心拍数陣痛図の講義・実習を内容とする助産師支援研修会を開催した。これにより県内の地域周産期医療に携わる助産師の技術と意識の向上が図られ、助産師のスキルアップに寄与したのみならず、地域における助産師外来の設置を推進し、地域全体における医師の過重労働軽減に繋がる支援となり、医師の自己研鑽に関わる時間が増加した。 (4) 救急の初期対応に当たる救急隊員の分娩時対応に関する研修として、分娩シミュレーターを用いた実習指導を行い、救急隊員が自宅分娩や車内分娩に適切な対応を行うことが可能となるよう支援した。このことにより、分娩施設が少ない地域周産期医療における安全性の担保と妊産婦の安心に繋がる体制の構築を目指している。
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