2012 Fiscal Year Annual Research Report
認知症高齢者が自ら評価した生活の質とそれに影響を与える因子の検討
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22590462
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
埴原 秋児 信州大学, 医学部, 教授 (50326063)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 認知症 / 生活の質 / 日常生活動作 / 施設介護 / 精神症状 / 認知機能 |
Research Abstract |
認知症疾患は慢性進行性の経過をとるため,認知症のケアにはQOLの視点が重要である.QOL評価は,観察式・自己評価式などがあるが,QOL評価は自己評価を重視する必要性がある.QOL-AD (Quality of life in Alzheimer’s disease )は,認知症の中核症状である記憶機能を含み,対人関係,生活状況,生活動作機能,身体状況,心理状態について項目立てられた疾患特異的QOL尺度である.本研究は,施設介護を受けている認知症高齢者の主観的QOLとケアスタッフからみた認知症高齢者のQOLをQOL-ADを用いて評価し,日常生活動作障害,精神症状,認知機能,認知症重症度との関連を各々検討した.1ヶ月以上施設介護を受けている認知症高齢者141名と,認知症高齢者のケアに直接従事しているケアスタッフ74名を対象に検討した.141名の認知症高齢者うち116名がQOL-ADに回答可能であり、MMSEの得点はいずれも11点以上であった.対象者の主観的QOL総得点は28.9点,ケアスタッフが評価した対象者のQOL総得点は27.0点で,両者の相関は低く(r=0.24)二群間に有意差を認めた.重回帰分析の結果,主観的QOLは,日常生活動作障害(β=0.207)とNPIのうつ(β=0.218)と有意に関連した.認知症のQOLに対して,認知症高齢者自身とケアスタッフの捉え方は多くが不一致であり,ケアスタッフはQOLを低く見積る傾向が認められた.重回帰分析の結果,認知症高齢者の主観的QOLは,日常生活動作障害とうつと相関することが示され、日常生活動作障害とうつはQOLの向上に関連する重要な介入目標の可能性がある.
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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