2011 Fiscal Year Annual Research Report
地域におけるプライマリ・ケア提供体制としてのグループ診療の優位性に関する研究
Project/Area Number |
22590479
|
Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
寺崎 仁 横浜市立大学, 市民総合医療センター, 准教授 (90227512)
|
Keywords | グループ診療 / プライマリ・ケア / 診療所 / 医療提供体制 / かかりつけ医 / 在宅療養支援 |
Research Abstract |
本年度は、年度当初から日本プライマリ・ケア連合学会の「地域ケアネットワーク委員会」の中に位置づけられた「グループ診療の実践に関するワーキングループ」での活動を開始し、平成23年7月に札幌で開催された日本プライマリ・ケア連合学会の第2回学術大会に向けた準備に取り組んだ。その成果もあって、同学術大会においては学会第2日目の10:30-12:00にシンポジウム「いよいよ見えてきたグループ診療の未来-地域におけるプライマリ・ケア提供基盤の整備-」を開催することができた。シンポジウムでは、「わが国のグループ診療を巡る課題と展望」と題して、研究代表者である寺崎が講演し、引き続き「地域医療を支えるグループ診療-診療所ネットワークの場合」をテーマに宮川内科小児科医院(横浜市)院長の宮川政昭氏、「地域医療を支えるグループ診療-有床診療所の場合」をテーマにいらはら診療所(松戸市)院長の苛原実氏がそれぞれ講演し、社会保険横浜中央病院の大道久院長(日本大学医学部客員教授)の司会の下で、会場の参加者を交えたデスカッションが行われた。これらの詳細については、今後作成される最終報告書において記録としてまとめる予定である。 研究協力者を含めた当研究グループのもう一つの活動計画としては、グループ診療に関する研究成果を取りまとめて書籍として出版することにも取り組んでいる。平成23年度においては、出版元を「社会保険研究所」に決定し、執筆者リストの作成と執筆依頼を済ませており、平成24年度中の発行を目指して現在も継続して作業を進めているところである。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当研究の活動計画としては、第一にわが国の地域におけるプライマリ・ケアを実践している専門家集団である「日本プライマリ・ケア連合学会」において、プライマリ・ケアの提供基盤の強化としての「グループ診療」の普及啓発を進めることであり、その意味では同学会の学術集会においてシンポジウムを開催できたことは大きな成果と受け止めている。その一方で、一般国民向けの啓発のための書籍出版も計画しているが、平成23年度中の発行予定が震災の影響もあって遅れており、その部分については評価を控えめにする必要があると考えている。
|
Strategy for Future Research Activity |
当研究課題の推進方策は、日本プライマリ・ケア学会の委員会活動に位置づけられていることを最大限活用し、毎年開催される学術集会においてシンポジウムなどを開催して、会員に向けたグループ診療の利点などを啓発することに努めたい。そして、地域におけるプライマリ・ケア体制の基盤強化につながるよう、複数医師による診療所医療の普及と、制度面での支援などについても学会の提言などとして、社会に向けて発信することも検討したい。また、書籍出版についても、出版社を決定することができたので、研究協力者を含めたワーキンググループでの作業の進捗管理を行っていく予定である。
|