2010 Fiscal Year Annual Research Report
社会的弱者と若年集団との接触を考慮した都市部での結核対策に関する研究
Project/Area Number |
22590485
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
古屋 博行 東海大学, 医学部, 准教授 (10276793)
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Keywords | 空気感染 / 結核 / 紫外線照射 / マイナスイオン |
Research Abstract |
本年度は室内環境における空気感染リスクの低減効果について検討を行った。室内上部の紫外線照射やマイナスイオンによる殺菌効果について室内換気との関連も含め空気感染予防策を比較検討した。 1. 室内上部の紫外線照射による空気感染リスク低減効果と室内換気との関連 我々が作成したネットカッフェを想定した室内環境でのWells-Rileyモデルを、室内上部での紫外線殺菌効果と室内上部と下部での空気の混合を表現するように拡張し、モンテカルロシミュレーションを適応することで空気感染リスクの経時的変化を推定した。活動性結核患者に相当する場合で、換気回数が1回/時間でも室内上部の紫外線殺菌により空気感染リスクが75%減少することを認めた。 2. マイナスイオンによる空気感染予防効果 Escombeら(2009)の動物感染実験によるマイナスイオンによる動物の結核感染率減少の推定結果から、感染者から排出されるquantum発生率の減少割合を利用してマイナスイオンによる空気感染予防効果を推定した。換気回数の増減により紫外線殺菌効果やマイナスイオンを併用した場合の効果にどのよう影響があるかについては、換気回数が3回/時以下の場合は室内上部の紫外線照射の方が、換気回数が6回/時の場合ではマイナスイオンの方が空気感染リスクの低減効果が期待された。 3. 換気指標としての室内二酸化炭素濃度の有効性の検討 大阪市保健所の協力により集団感染事例における室内二酸化炭素濃度を測定し、例数を増やしている。
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Research Products
(1 results)