2012 Fiscal Year Annual Research Report
社会的弱者と若年集団との接触を考慮した都市部での結核対策に関する研究
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22590485
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
古屋 博行 東海大学, 医学部, 准教授 (10276793)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 結核 / 都市部 / 感染予防 |
Research Abstract |
1.換気指標としての室内二酸化炭素濃度の有効性の検討 大阪市保健所の協力により、これまで結核発症事例の接触調査69例について室内における二酸化炭素濃度を測定した。二酸化炭素濃度の平均値は862ppm、最大で2138ppmであった。室内換気基準1000ppmを超えるケースは、全体の21.7%であった。事業者側から換気回数の情報が得られた9例について、室内二酸化炭素濃度からの換気回数との間でSpearmanの相関係数を求めたところ、ρ=0.57(p=1.04)と有意な相関でなかった.潜在結核感染事例(LTBI)に限ると、潜在結核患者数と二酸化炭素濃度との間に有意な相関関係を認めた。 2.数理モデルによる結核感染のシミュレーション 高齢者施設で換気が充分でない場合に、室内上部の紫外線照射により集団感染を予防できる可能性がある。感受性のある者(S)、排菌(I)、回復(R)の3集団のコンパートメントを仮定した連立の微分方程式によるモデル(SIRモデル)である。このモデルは集団の構成員を同質とみなし,人口の時間変化に着目した微分方程式によるモデル作成が容易なことから、このモデルを使用して定性的傾向を把握した。前年度検討した室内の空気感染のWells-Rileyモデルと、今回のSIRモデルを融合したモデルを作成することで、室内換気が一般集団での結核罹患率に対し、どのように影響するか検討した。その結果、ハイリスク集団での結核罹患率の増加、接触時間が増加した場合に比べ、室内換気の影響は大きくないことが推測された。地域分子疫学調査の結果からの集団感染のネットワークを利用したマルチエージェントモデルについては、現在、簡単なネットワークモデルの構築にとどまり有意な結果に至っていないが、今後も継続して検討を行う。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(1 results)