2012 Fiscal Year Annual Research Report
血管新生可視化マウスの作成と新規抗腫瘍血管剤評価系の確立
Project/Area Number |
22590501
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
井上 博文 愛媛大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (70321635)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 血管新生 / 悪性腫瘍 / 血管内皮細胞 / VEGF / 発光イメージング |
Research Abstract |
悪性腫瘍において血管新生は、腫瘍形成から多臓器転移にいたるまで重要なイベントと考えられている。その生体内の様子を観察するためには、組織切片を作成し、血管内皮特異的抗体を用いた免疫組織染色によって血管密度等を検出することが一般的である。しかしながら従来の方法では、マウスサンプルをその都度殺処理しなければならないため、同一個体サンプルで経時的にダイナミックな血管形成変化を観察することには限界がある。血管新生活性を同一個体で時空間的に観察可能にするために、マウス血管内皮細胞特異的にルフェラーゼ遺伝子を発現するシステムの構築を試みた。具体的には、2か所のloxP配列で挟まれた領域が恒常的活性プロモーターとLUC2遺伝子間に挿入しているトランスジェニックマウスと血管内皮細胞特異的遺伝子であるTie2遺伝子プロモーターで発現制御されているCre遺伝子(Tie2-Cre)トランスジェニックマウスを掛け合わせた。そのマウスにマウス乳癌細胞株4T1を皮下移植したところ、移植部位に一致して経時的にルシフェラーゼ活性が増強することが確認できた。4T1を移植したマウスにスニチニブを投与したところ、血管新生活性が減弱することがルシフェラーゼ活性を通じて観察できた。さらにVEGF-A遺伝子を強制発現させた4T1を皮下に移植した場合、移植後数日といった早期より肺でのルシフェラーゼ活性増強が認められ、肺転移に対するVEGF-A効果についても可視化することが可能であった。このマウスを用いたシステムによって、腫瘍形成と血管新生活性の関係性がダイナミックに観察できるだけではなく、転移における血管新生の役割や新規抗新生血管剤の抗腫瘍効果評価についても有用であることが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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