2011 Fiscal Year Annual Research Report
内向き整流性カリウムチャネルに作用する薬物の探索と創薬への基盤研究
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22590512
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Organization for Medical Research |
Principal Investigator |
小林 徹 財団法人東京都医学総合研究所, 精神行動医学研究分野, 研究員 (70450583)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池田 和隆 財団法人東京都医学総合研究所, 精神行動医学研究分野, 参事研究員 (60281656)
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Keywords | 薬理学 / 創薬 / カリウムチャネル |
Research Abstract |
本研究は、脳や心臓に多く存在し細胞の静止膜電位の維持や興奮性の調節に重要な内向き整流性カリウム(Kir)チャネルの主要なサブファミリーであるKir2及びG蛋白質活性型内向き整流性カリウム(GIRK ; Kir3)チャネルに作用する薬物をアフリカツメガエル卵母細胞蛋白質発現系を用いた電気生理学的研究によって数多く見い出し、その作用を機能面から詳細に解析することを目的とする。 平成23年度内にはうつ病のほかに不安障害、摂食障害、強迫性障害、疼痛障害などの治療薬として用いられている様々なクラスの抗うつ薬がGIRKチャネルを異なる効力で抑制することを英文論文にて詳細を発表した。さらに、様々な化学構造の薬物をこの実験系を用いて解析し、Kirチャネルに作用するいくつかの臨床薬を見い出すことができ、詳細な解析を進めるとともに英文論文を投稿する準備をしてきている。 Kir2及びGIRKチャネルは細胞の興奮性の調節に重要な分子であり、有望な治療標的としても考えられてきているので、これらに作用する薬物の発見や機能を明らかにすることは基礎と臨床の両面から意義がある。研究成果により、臨床における薬物の効果や副作用の理解をより深めるとともに、Kirチャネルを標的とする創薬研究の基盤や臨床適用拡大への提言になることが考えられるために重要な研究であると考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究目的であるKirチャネルに作用する臨床薬を見い出すことができ、これまでの研究期間内に3つの英文論文を発表するとともにGIRKチャネルに関した総説も出版された。さらに研究を進めたことでKirチャネルに作用する臨床薬を現在いくつか発見しており英文論文を投稿する準備をしてきているため。
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Strategy for Future Research Activity |
Kirチャネルに作用する既知の薬物についての構造解析を行い、本研究においてスクリーニングする薬物を選定し、研究データを一段と充実させ大きな成果を得るようにする。
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Research Products
(2 results)