2012 Fiscal Year Annual Research Report
新規迅速遺伝子解析技術の発癌感受性遺伝子多型診断への応用
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22590516
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
清水 公裕 群馬大学, 医学部, 講師 (90375535)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 和美 群馬大学, 医学部, 医員 (30526843)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | MDM2 SNP309 / 肺癌 / 発がん / SmartAmp法 / 一塩基多型 |
Research Abstract |
日本人における肺癌とMDM2 SNP309の関連を明らかにするため、理化学研究所と神奈川県立がんセンターとの共同研究を行った。 当科と神奈川県立がんセンターの肺癌手術症例合計849例(腺癌612例、扁平上皮癌159例、小細胞癌27例、その他51例)と正常健常人(682例)を対象とした。MDM2 SNP309はSmartAmp法を用いて解析し比較検討した。当科での肺腺癌症例のEGFR/KRAS変異解析は、腫瘍組織抽出DNAをもちいてPCR-clumping法で行った。 肺癌群・対照群間の各遺伝子型を性別・腫瘍組織型毎に比較を行ったが有意な差を認めず,日本人においてはMDM2 SNP309は肺癌の発癌には関与しないということが分かった(TT+TG群 対 GG群 : オッズ比 0.97, 95%信頼区間 0.78-1.22)。当科の肺腺癌308例ではEGFR変異:171例,KRAS変異:44例であった。KRAS (G>T)変異腺癌21例においては(TT+TG群 対 GG群 :オッズ比 2.42, 95%信頼区間 1.01-5.82)であった。KRAS変異を有する肺腺癌、特にG⇒T変異は,喫煙との相関が強いとされている。この群でGG群が有意に多かったことは、MDM2 SNP309が喫煙を介した発がんに関与している可能性が示唆された。扁平上皮癌において累積喫煙量(1日の箱数×喫煙年数)の平均値がTT+TG群 63.5、GG群 52.1とGG群において有意に少ない(p=0.03)ことが分かった。このことは,GG群では少ない喫煙で肺癌が生じやすいことを示唆しているものと考えられる。 本研究により、日本人ではMDM2 SNP309と肺癌との相関は乏しい。喫煙との相関が強い特定のグループにおいては、MDM2 SNP309が発がんに関与している可能性があるという2つのことを示すことができた。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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