2010 Fiscal Year Annual Research Report
シトルリン化フィブリノゲン・フィブリンの溶解性に関する研究
Project/Area Number |
22590521
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
奥村 伸生 信州大学, 医学部, 教授 (60252110)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
寺澤 文子 信州大学, 医学部, 准教授 (40109210)
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Keywords | 関節リウマチ / シトルリン化 / フィブリノゲン / フィブリン / 蛋白分解酵素 / プラスミン / 好中球エラスターゼ / キマーゼ |
Research Abstract |
シトルリン化フィブリノゲンの種々の蛋白分解酵素による分解性を検討した。用いた蛋白分解酵素は、プラスミン、好中球エラスターゼ、肥満細胞由来トリプターゼ・キマーゼ、結合組織由来のマトリックスメタロプトテナーゼ-3であり、トリプターゼ以外の酵素でシトルリン化フィブリノゲンは非シトルリン化フィブリノゲンと同様な分解速度で分解され、シトルリン化フィブリノゲンの分解が遅れるという推定は否定される結果であった。トリプターゼではフィブリノゲンの分解は観察されなかった。 また、抗CCP抗体陽性関節リウマチ患者血清から精製したIgGとシトルリン化フィブリノゲンあるいは非シトルリン化フィブリノゲンを反応させた後に、4種類の蛋白分解酵素で処理したところ、シトルリン化フィブリノゲンと非シトルリン化フィブリノゲンの間には分解速度の明らかな差は認められなかった。 シトルリン化フィブリンを作成する方法については、フィブリノゲンをトロンビンによりフィブリンゲルとし、さらに遠心によりパックした後にシトルリン化する方法を確立した。これにより、平成23年度にシトルリン化フィブリンの蛋白分解酵素処理実験を行うめどがついた。 さらに、蛍光色素であるFITCを結合させたフィブリノゲンをフィブリン化・シトルリン化する方法も確立できたので、電気泳動で分離するのでなく、蛍光光度計を用いて蛋白分解酵素による分解を高感度に検出する実験を行うめどがついた。
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