2010 Fiscal Year Annual Research Report
小児のメタボリックシンドロームを念頭に置いた肥満・高脂血症検診とリポ蛋白異常
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22590525
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
山村 卓 大阪大学, 保健医療技術学部, 教授 (20132938)
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Keywords | 小児 / 高脂血症 / 肥満 / コレステロール / トリグリセライド / メタボリックシンドローム |
Research Abstract |
奈良県の一地域において実施している小児生活習慣病予防対策である小児肥満・高脂血症検診は、すでに30年近くも毎年実施されている貴重な成績である。小中学生における肥満と血清脂質異常症の推移を検討することによって、将来の動脈硬化性疾患の予防に向けて重要な情報が得られるものと期待される。 本研究の初年度として、この地域における小学校5校と中学校2校において、小児生活習慣病予防検診を希望した小学4年生225名と中学1年生165名を対象として、身体計測ならびに空腹時採血を行い、総コレステロール(TC)・トリグリセライド(TG)・HDLコレステロール(HDL-C)を測定した。LDLコレステロール(LDL-C)は計算式により算出した。 肥満度が20%以上の肥満児・生徒は、小学生で14.1%、中学生で6.6%に認められた。また、40%以上もの肥満児も、小学生で2.6%に存在した。小児メタボリックシンドロームの基準値とされるTG値が120mg/dl以上の頻度は小学生で3.1%、中学生で2.4%、また、成人の基準値の150mg/dl以上はそれぞれ、1.3%と0.6%と比較的少数であった。一方、LDL-Cでは、成人の基準140mg/dl以上の小中学生はそれぞれ、5.3%と3.0%であり、小児であることを考慮して、120mg/dl以上の頻度はそれぞれ、20.3%、9.1%で、小学生では特に高LDL-C血症が高頻度に認められた。高TG血症は肥満との関連が認められたが、高LDL-C血症は非肥満者にも多く見られ、体質素因の関与の大きいことが示唆された。25年前の当地域の小学校での肥満児頻度は5~9%、中学校で7%前後であり、当該地域の小学生で肥満児の増加の著しいことが示された。
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Research Products
(4 results)