2012 Fiscal Year Annual Research Report
小児のメタボリックシンドロームを念頭に置いた肥満・高脂血症検診とリポ蛋白異常
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22590525
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Research Institution | Bukkyo University |
Principal Investigator |
山村 卓 佛教大学, 保健医療技術学部, 教授 (20132938)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 小児 / 高脂血症 / 肥満 / やせ / コレステロール / トリグリセリド |
Research Abstract |
平成24年度の小児肥満・高脂血症検診を実施した。小学4年生 男/女; 99/86名、中学1年生 男/女; 58/66名、合計309名を対象として検診を実施した。全体としての血清脂質・リポ蛋白レベルは、血清総コレステロール(TC); 177.1±30.3 mg/dl (Mean±SD. 以下同)、トリグリセライド(TG); 51.2±26.7 mg/dl、HDLコレステロール(HDL-C); 65.8±14.1 mg/dl、また、Friedewaldらの計算式で算出したLDLコレステロール値(LDL-C)は101.0±25.1 mg/dlであった。本年度1年分の対象者だけでの検討ではやや対象者数が少ないため、本研究課題がスタートした平成22年度から本年度までの3年度分の成績をまとめて検討した。学年・性別に脂質レベルを検討しても、この10~20年間の間には、大きな違いは認められなかった。 また、肥満度が +20%以上の肥満児童・生徒は、小学4年男女でそれぞれ、15.6%と10.1%、中学1年男女で、7.0%と5.6%であた。一方、肥満度が -20%未満のやせの頻度は、中学1年男女で、1.0%と0.3%、中学1年男女で、3.5%と3.7%であった。小学1年生男子では肥満頻度が高い反面、「やせ」も比較的多いようである。一方、中学1年生では男女とも「やせ」が多いものと考えられ、容姿を気にする中学生の存在が覗われる。また、肥満度が -10%未満を示す「やせ」ならびに「やせ気味」の児童・生徒では貧血傾向や低蛋白血症傾向にあり、肥満と同様に「やせ(気味)」の児童・生徒にも注意を払う必要性が示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度の小中学生の生活習慣予防検診を継続して実施した。今回の検討における問題点として、肥満度が -10%未満を示す「やせ」や「やせ気味」の児童・生徒では貧血傾向や低蛋白血症傾向が認められ、肥満と同様に「やせ(気味)」の児童・生徒にも注意を払う必要性が示された。小児期と成人期、また、親子間での検査成績の比較、等の解析のため、以前、本検診を受診したことのある小中学生の保護者を対象として再検査の実施を検討したが、諸般の事情により実施は困難であった。
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Strategy for Future Research Activity |
本地域での小児生活習慣病予防検診はすでに30年以上を経過している。そこで、一つの節目として、メタボリックシンドロームを念頭に置いてこの間の検査成績の推移ならびに長期間の検診の意義について、平成25年度の最終年度に最終報告としてまとめを行う。
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