2010 Fiscal Year Annual Research Report
消化器癌患者の血中遊離核酸を用いた新たな診断法の開発と個別化バイオマーカーの試み
Project/Area Number |
22590533
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
市川 大輔 京都府立医科大学, 医学研究科, 講師 (20347446)
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Keywords | バイオマーカー / 消化器癌 / 術後マーカー / 個別化 / microRNA |
Research Abstract |
食道癌・胃癌担癌患者の末梢血液から抽出した遊離核酸を用いて、染色体・遺伝子増幅領域ならびに異常microRNAの検出を試みた。 染色体・遺伝子増幅領域の検出については、増幅頻度の報告が多い食道癌における第11番染色体長腕に位置するCCND1領域を対象(target sequence)として解析を行った。同じ染色体上のシングルコピー遺伝子DRD2(reference sequence)との比較定量(相対比)を行うことによって、同遺伝子増幅領域コピー数の増加を血漿中遊離核酸を用いて測定可能であることを証明した後、得られた結果と臨床病理学的因子との比較検討から、食道癌患者における血漿中CCND1増幅検出が、癌の存在診断のみならず予後悪性度診断としても有用であることを報告した(Takeshita H, Ichikawa-D et al. Brit J Cancer ; 1378-83, 2010)。 一方、血漿中microRNA検出についても胃癌患者を中心に解析を行った。これら遊離microRNAが血漿中においても、exosome内で極めて安定した状態で存在することを確認した後、胃癌患者において既に異常の報告が多いmicroRNAを対象とした解析を行い、血漿microRNA106b濃度や microRNA106a/let7a比が、胃癌の存在診断として有用であることを報告した(Tsujiura-M, Ichikawa-D et al. Brit J Cancer ; 1174-9, 2010)。
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Research Products
(3 results)