2011 Fiscal Year Annual Research Report
メタボリックシンドロームにおける血漿過酸化脂質代謝の研究
Project/Area Number |
22590534
|
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
惠 淑萍 北海道大学, 大学院・保健科学研究院, 特任准教授 (90337030)
|
Keywords | Lipid hydroperoxide / 過酸化脂質 / 酸化リポ蛋白 / 免疫 |
Research Abstract |
メタボリックシンドロームの発症に全身的酸化ストレスの増加が関与することが明らかとなった。しかし、過酸化脂質を臨床レベルで測定する方法がないためその詳細は不明である。メタボリックシンドロームの病態理解のためには、血液と脂肪組織そして全身臓器を結ぶ過酸化脂質動態を、リポ蛋白代謝との関連において明らかにする必要があり、その目的に適した過酸化脂質測定法としてイムノアッセイの開発が必要である。本課題では、過酸化脂質を簡便に測定できるイムノアッセイを開発し、臨床検査薬としての実用化を目指す。 平成23年度では、ヒト血漿から,超遠心法およびゲルろ過HPLCにより高比重リポタンパク質(high-density lipoprotein, HDL)と低比重リポタンパク質(low-density lipoprotein, LDL)を単離し,それらを硫酸銅と反応させ酸化リポ蛋白(oxLDLとoxHDL)を作成した.液体クロマトグラフィー/質量分析法(LC/MS)によりoxLDLとoxHDL中のホスファチジルコリンヒドロペルオキシドの定量を行い、国際誌に投稿し査読者から高く評価するコメントを得た(Anal Bibanal Chem, 2012, DOI10・1007/s00216-012-5833-x)。また,コレステリルエステルヒドロペルオキシド、トリグリセリドヒドロペルオキシド、ホスファチジルコリンヒドロペルオキシドがoxLDLに含まれていることをLC/MSにより確認ができた.更に各過酸化脂質を含んでいるoxLDLを調製しマウスに免疫した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
以下の理由でおおむね順調に進展している. l.必要とする種々の過酸化脂質の標準品はすべて合成できた. 2.LC/MSによる酸化リポ蛋白中の過酸化脂質の同定と定量分析が予定通り行われた. 3.酸化脂質の構造と含量の分かった酸化リポ蛋白を用いてマウスに免疫することができた.
|
Strategy for Future Research Activity |
各過酸化脂質を含んでいるoxLDLを調製し免疫したマウスより抗体を取る.次に選ばれた抗体でELISAを作成する.最終的な目標は過酸化脂質を簡便に測定できるイムノアッセイを開発するが,問題があれば新たなハプテンを設計し合成する.
|