2010 Fiscal Year Annual Research Report
アポEリッチHDL亜分画の変動とHDLホモジニアス法の反応性との関係について
Project/Area Number |
22590535
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
平山 哲 順天堂大学, 医学部, 准教授 (10345506)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三井田 孝 順天堂大学, 医学研究科, 教授 (80260545)
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Keywords | ApoE-rich HDL / HDL-Cホモジニアス法 / 脂質異常症 / 非変性二次元電気泳動 |
Research Abstract |
【背景】高比重リポ蛋白(HDL)にはApoE-rich HDLとApoE-poor HDLが存在する。HDL-Cホモジニアス法は、試薬により前者への反応性が異なり、HDL-Cの標準化の障害になっている。しかし、HDL亜分画は長時間の保存では不安定であり、ApoE-rich HDLを精密に解析する方法も確立されておらず、基礎的データは少ない。HDL-Cの標準化のためにApoE-rich HDLの血中での特性や臨床的意義を明らかにする必要がある。 【目的】ApoE-rich HDL亜分画の分布と保存安定性を明らかにする。 【方法】12時間以上絶食後の正脂血症と脂質異常症患者から、EDTA採血にて新鮮血漿を採取した。血漿は0℃または4℃で24時間保存し、検体の一部はDTNB添加および非添加下に37℃で4時間保存した。ApoE-rich HDL亜分画の分布は非変性二次元電気泳動(一次元目,0.75%アガロースゲル;二次元目,2-15%濃度勾配ポリアクリルアミドゲル)で解析した。HDL亜分画は、NC膜に転写し、抗ApoE抗体と^<125>Iでラベルした二次抗体でApoE-rich HDL亜分画をWB法で検出した。 【結果】ApoE-rich HDLは、粒子サイズの大きい分画だけでなく、粒子サイズの小さい分画も存在した。小粒子のApoE-rich HDLは、正脂血症、高LDL血症、高TG血症、高HDL血症のいずれにも認められた。37℃で4時間保存後、小粒子のApoE-rich HDLは、0℃保存と比較して有意に減少した。LCAT活性をDTNB添加により阻害すると、4時間保存後ではApoE-rich HDLは、逆に0℃保存より増加した。4℃で24時間保存後に小粒子のApoE-rich HDLは増加傾向を示した。 【結論】ApoE-rich HDLは、大粒子分画のみならず、小粒子分画も存在する。小粒子のApoE-rich HDLは0℃では安定だが、37℃では短時間保存でもLCATによる粒子の成熟が影響を受ける可能性がある。また、4℃でも保存時間は粒子の成熟に影響を及ぼす可能性がある。
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