2010 Fiscal Year Annual Research Report
Multiplex定量LAMP法によるヘルペスウイルス迅速診断法の確立
Project/Area Number |
22590539
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Research Institution | Fujita Health University |
Principal Investigator |
井平 勝 藤田保健衛生大学, 医療科学部, 准教授 (10290165)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉山 博子 藤田保健衛生大学, 医学研究科, 研究員 (10387714)
榎本 喜彦 藤田保健衛生大学, 医学研究科, 研究員 (00387713)
吉川 哲史 藤田保健衛生大学, 医学部, 教授 (80288472)
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Keywords | LAMP / real-time PCR法 / HSV / Qprobe |
Research Abstract |
【目的】LAMP法は迅速、簡易という点では非常に優れており、臨床現場での迅速診断法として期待されている。しかし、定量的評価という点では課題が多く、現在スタンダードとされるreal-time PCR法に及ばない。そこでこれまで開発したHSV特異的LAMP法と、近年開発されたグアニン消光現象を利用した蛍光色素プローブ(Qprobe)を組み合わせてHSV DNA量の迅速な測定法開発を試みた。【対象と方法】HSV-1とHSV-2の特異的な遺伝子配列部位にprimerを設定し、標的領域をサブクローニング後、抽出したプラスミドのコピー数を決定し段階希釈してキャリブレーション系列とした。各定量的LAMP法のmixture10μlにサンプル15μlを加え、全体量を25μlとした。反応温度と時間は63℃、20分とし、Step one(ABI社)を用いて連続的に蛍光強度変化を測定した。基礎的検討として、5日間の日差再現性と5検体による同時再現性を検討した。臨床応用のための初期検討として、HSV陰性髄液に各ウイルスDNAをスパイクしたサンプルからDNAを抽出、real-time PCR法と定量的LAMP法を行い比較した。【結果】HSV-1、HSV-2特異的定量的LAMP法ともに感度は100コピー/反応であり、プラスミドのコピー数とThreshold time(Tt)との間で高い相関性を認めた。日差再現性、同時再現性の検討でも、CV%は約5%以内と良好な再現性を確認した。初期検討では、real-time PCR法により決定されたウイルスDNA量(HSV-1:10^8~655コピー/反応HSV-2:2×10^9~105コピー/反応)と、LAMP法によるTt値の相関を検討した。その結果、HSV-1でR^2=0.99、HSV-2でR^2=0.96と優れた相関を認めた。 【考察】今回開発した定量的LAMP法は、15分以内で測定可能でありLAMP法の長所である迅速性を保ちつつウイルスDNAの定量的評価が可能であった。また、日差再現性、同時再現性ともに良好で、髄液にウイルスDNAをスパイクした検体においてもreal-time PCR法との間に良好な相関がみられたことから、臨床応用への可能性も高いと考えられる。
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Research Products
(5 results)