2012 Fiscal Year Annual Research Report
大腸菌発現系を用いたペプチド性分子認識診断薬の創製法
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22590544
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Research Institution | 地方独立行政法人神奈川県立病院機構神奈川県立がんセンター(臨床研究所) |
Principal Investigator |
辻 祥太郎 地方独立行政法人神奈川県立病院機構神奈川県立がんセンター(臨床研究所), がん治療学部, 主任研究員 (30285192)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 生物・生体工学 / 分子認識 / バイオテクノロジー / 遺伝子工学 / コンビナトリアルケミストリー |
Research Abstract |
1)実施計画に従って人工抗体遺伝子の検討を行った。その結果、ヒトVpreB蛋白質とヒト抗体H鎖可変領域のCys残基をAlaに置換し、それぞれをリンカーペプチドで連結した人工抗体が、Hishot法を行う上で可溶性、安定性、特異的結合性に優れていることが判明した。そこでこの人工抗体遺伝子にランダムアミノ酸領域を設定し、ライブラリ作製法の最適化を行った上でHishot法を実施した。セレクションは標的蛋白質を固相化した坦体を用いたプルダウン法で行い、スクリーニングは西洋ワサビペルオキシダーゼ標識抗Hisタグ抗体を用いたELISA法にて行った。 2)ウサギIgGを標的としたHishot法では、IgGに結合するクローンが得られたものの、Igドメイン同士の非特異的吸着とみられる結合がみられ、特異性の面で優れたクローンを得ることはできなかった。 3)ヒトインテレクチン-1を標的としたHishot法では、標的に特異的に結合する複数のクローンを得ることができた。これらのクローンはサンドイッチELISAの検出抗体として使用可能であり、研究や臨床検査に有用な分子認識薬を得ることができたと考えられた。 4)陽性対照として開発した抗インテレクチンモノクローナル抗体が上皮型悪性胸膜中皮腫に特異的に結合し、既存の中皮腫マーカーよりも特異性の面で優れていることを発表した。 以上の結果から、Hishot法が動物免疫によるモノクローナル抗体作製法に替わる人工抗体作製技術として、実用レベルに達したと考えられた。そこで現在、 Hishot法が他の標的蛋白質に対しても普遍的に実施可能であることを示すため、他の標的蛋白質(TNF-a、EGF)に対してHishot法を行い、特異的に結合するクローンの取得を試みている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
Hishot法は、Hisタグ付加ペプチドとHisタグ結合配列を持ったmRNAを大腸菌内で複合体形成させ、標的に結合するペプチドRNA複合体を分離し、標的結合ペプチドの配列を同定する方法である。本年度までに、Hishot法の手技全般、標的結合ペプチドの配列の改良などを完了し、標的蛋白質(インテレクチン-1)に対し特異的に結合する複数のクローンを得た。これらのクローンはサンドイッチELISAの検出抗体として使用可能であり、研究や臨床検査に有用な分子認識薬を得ることができたと考えられた。従って、研究の主目的であったHishot法の開発と実用化をほぼ達成できた。 また、陽性対照として作製した抗インテレクチン-1抗体が、悪性胸膜中皮腫の診断マーカー抗体として流用できることができることが明らかとなり、予定外の研究成果も得ることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
研究の主目的であるHishot法の開発と実用化をほぼ達成したため、 Hishot法が他の標的蛋白質に対しても普遍的に実施可能かどうかを検討する。また樹立した個々のペプチドクローンの詳細な解析とFc部分を連結した完全抗体化を試み、臨床応用等に応用可能な実用性の高い抗体クローンが得られるかどうかを評価する。
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Research Products
(6 results)