2010 Fiscal Year Annual Research Report
健康食品(長鎖不飽和脂肪酸など)による神経・循環器系影響の客観的評価法の確立
Project/Area Number |
22590546
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
岩田 豊人 秋田大学, 大学院・医学系研究科, 助教 (00321894)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村田 勝敬 秋田大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (80157776)
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Keywords | 食品衛生 / 神経運動機能 / 神経生理機能 / 健康食品 / 不飽和脂肪酸 / ドコサヘキサエン酸 / ベンチマークドース |
Research Abstract |
「健康食品」(生理機能への良好影響をうたって販売されている食品)の摂取が期待されている通りの効果を示すかどうかを検証する目的で、機関の倫理委員会の承認後にインフォームドコンセントを得て次に示す介入研究を行なった。健常な20歳代男女にドコサヘキサエン酸(DHA)を主成分とする市販健康食品を毎日6週間摂取してもらった介入群と摂取しなかった対照群とで、摂取前、摂取後、さらに摂取終了の6週間後の3回、心拍RR間隔に基づく自律神経機能と手のふるえなどの神経運動機能を測定した。 DHAはふだんの食事でも主に魚から摂取していることから、簡易食事頻度の聞き取りと検査時3回の採血による血清DHA濃度測定とによって曝露量の正確な把握に備えた。 研究計画では60名を対象とする予定であったが、一人にっき採血を含む検査3回分の謝金が足りず、本年度は42名までの測定しかできなかった。次年度は残りの18名をデータに加え、ひきつづいてエイコサペンタエン酸について検討を行なう。 この他、当研究は「健康食品」一般の客観的評価法確立を目指している。化学毒性物質等のリスク評価において欧州食品安全機関(EFSA)はこれまで伝統的に用いられてきた無毒性量(NOAEL)の代わりにベンチマークドース(BMD)法を使うことを勧告しているが、これを「健康食品」の効果の評価に用いる可能性について検討した。その結果、EFSAの方法で得られる基準点は臨床的基準値に必ずしも対応しない低い数値になる可能性があるため注意が必要であることが知られた。
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