2012 Fiscal Year Annual Research Report
利根川河川水と底泥中の薬剤耐性病原微生物の研究-災害時の感染症対策として-
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22590552
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Research Institution | Chiba Institute of Science |
Principal Investigator |
藤谷 登 千葉科学大学, 危機管理学部, 教授 (30128673)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
畑 明寿 千葉科学大学, 危機管理学部, 助教 (10433690)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 災害 / 感染症 / 河川 / 薬剤耐性菌 / 腸内細菌科 / 危機管理 / 臨床検査 |
Research Abstract |
利根川河川水のサンプリング地点は上流の群馬県みなかみ町から河口までの間に5箇所(群馬県みなかみ町、埼玉県本庄市、埼玉県坂東市、千葉県佐原市、千葉県銚子市)を設定し2012年7~8月に採水を行った。河川水中の腸内細菌科細菌の検出にはデオキシコレート寒天培地を用いた。培地にて発育した乳糖分解陽性菌に対してグラム染色、オキシダーゼ試験を行った後、16SrDNA配列解析を行い腸内細菌科であることを確認した。腸内細菌科の検出数は市街地の下流で増加する傾向がみられた。最も多く検出された腸内細菌科はEnterobacter属であった。 薬剤感受性試験に用いた抗菌薬はアンピシリン(ABPC)、セファロチン(CET)、セフォタキシム(CTX)、イミペネム(IPM)、ゲンタマイシン(GM)、アミカシン(AMK)、クロラムフェニコール(CP)、テトラサイクリン(TC)、シプロフロキサシン(CPFX)の計10種類で、米国臨床検査標準委員会のマニュアル(M100-S20-U)に基づき平板希釈法で試験を行った。今年度検出された腸内細菌科140株の各抗菌薬に対する耐性率は以下の通りとなった;ABPC 50.3%、CET 58.7%、CTX 19.4%、CAZ 9.9%、IPM 11.2%、GM 2.7%、AMK 2.1%、CP 16.1%、TC 5.3%、CPFX 2.7%。群馬県みなかみ町で採取された株はABPCとCET以外の抗菌薬には耐性を示さなかったが、これより下流の地域では他の抗菌薬に耐性を示す株がみられた。昨年度までの調査結果と比較すると、各抗菌薬への耐性率については大幅な変化はみられなかったが、CPFX耐性菌が3年間の調査において初めて検出された。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(2 results)