2012 Fiscal Year Annual Research Report
インスリンシグナルによる小胞体ストレス応答の修飾機構の解明
Project/Area Number |
22590553
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
稲毛田 清 東京女子医科大学, 医学部, 助教 (90281659)
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Project Period (FY) |
2010-10-20 – 2013-03-31
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Keywords | インスリン / 小胞体ストレス / GRP78 / ATF4 / 神経保護 / アポトーシス |
Research Abstract |
これまでの研究結果により、インスリンは小胞体ストレスによるcaspase-3の活性化を抑制した一方で、生存因子であるGRP78のmRNAと蛋白質レベルを増加させた。このインスリンによるGRP78に対する正の調節にATF4転写因子が関与することを明らかにした。本年度では以下の結果を得た。 1) 前年度までの研究成果により、インスリンシグナルによるGRP78遺伝子発現誘導促進に、PI-3キナーゼを介したATF4蛋白質の安定化という機序を明らかにした。小胞体ストレス応答には、PERK/eIF2αリン酸化/ATF4経路の他に、ATF6経路とIRE1/XBP-1経路が活性化されることが知られている。そこで、これらの経路の関与についてsiRNAあるいはドミナントネガティブ体を用いて検証したところ、インスリンシグナルによるATF4蛋白質量の増加に対して、ATF6経路やXBP-1経路はほとんど影響を及ばさなかった。現在、インスリンシグナルからATF4への経路に介在する因子についてスクリーニングを行っており、今後、新規な因子が同定されることが期待される。 2) GRP78遺伝子のプロモーター領域には小胞体ストレス応答配列とATF4の認識配列が存在する。GRP78遺伝子のプロモーター活性についてレポーターアッセイで解析したところ、インスリンシグナルからのATF4に依存したプロモーター活性の増加は、予想に反してATF4の認識配列非存在下においても認められたが、小胞体ストレス応答配列の存在は必要であった。このATF4によるGRP78遺伝子のプロモーター活性の増加のメカニズムとして、他の因子を介した間接的な作用の可能性、あるいはATF4が直接的に未同定の配列に結合する可能性が考えられた。この点について今後、ChIPアッセイやプロモーターへの点変異導入などの解析を行うことで明らかになると考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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