2010 Fiscal Year Annual Research Report
飲酒の抗血栓作用に関連する血小板TRPチャネルの分子機構
Project/Area Number |
22590562
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Research Institution | Hyogo Medical University |
Principal Investigator |
丸茂 幹雄 兵庫医科大学, 医学部, 講師 (40333950)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
若林 一郎 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (70220829)
武田 裕司 兵庫医科大学, 医学部, 講師 (90302299)
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Keywords | アルコール / 血栓症 |
Research Abstract |
[目的]アルコールによる血小板機能抑制機序の詳細は不明である。本研究では、血小板の容量性Ca^<2+>流入(CCE : capacitative calcium entry)およびジアセルグリセロール(DG)依存性のCa^<2+>流入および凝集におよぼすエタノールの影響について検討した。 [方法]洗浄血小板を用いて血小板内Ca^<2+>濃度および血小板凝集能を測定した。血小板刺激剤としてCa^<2+>-ATPase阻害剤であるthapsigargin及びDGアナログである1-oleoyl-2-acetyl-sn-glycerol(OAG)を用い、また生理的アゴニストとしてthrombinを用いた。さらにCCEの受容体拮抗剤であるSKF-96365の影響も検討した。 [結果]thapsigargin刺激によるCCEおよびそれに伴う血小板凝集は0.5%以上のエタノールにより抑制された。一方、DG依存性Ca^<2+>流入およびそれに伴う血小板凝集は0.5%以上のエタノールにより増強された。thrombin刺激によるCa^<2+>流入はエタノール(0.5-2%)前処置により有意な変化を示さなかったが、thrombin刺激時の血小板凝集は0.5%以上のエタノールにより抑制された。SKF-96365処置によるCCE抑制下での血小板のthrombin刺激にによるCa^<2+>流入はエタノール(0.5-2%)により有意に増強された。 [結論]エタノールによる血小板凝集抑制作用は刺激の種類によらず非特異的に認められた。一方、エタノールはCCE及びDG依存性Ca^<2+>流入へは相反する作用を示し、トロンビンによる生理的血小板活性化機構へのエタノールの作用にはこれら両者が関与することが示唆された。
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Research Products
(4 results)