2010 Fiscal Year Annual Research Report
肥満と活性酸素:メタボリック症候群と動脈硬化の病態に対するSODの関与
Project/Area Number |
22590563
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Research Institution | Hyogo University of Health Sciences |
Principal Investigator |
大河原 知水 兵庫医療大学, 薬学部, 准教授 (50330452)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
是金 敦子 兵庫医療大学, 薬学部, 助教 (80461169)
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Keywords | 酸化ストレス / 肥満 / 動脈硬化 / 活性酸素 / スーパーオキシドジスムターゼ / メタボリック症候群 / N-結合型糖鎖 |
Research Abstract |
CHO-K1細胞にマウスEC-SODの発現ベクターを遺伝子導入し、組み換え形マウスEC-SOD恒常的発現細胞を作成した。コンディションドメディウムからヘパリン親和性カラムとゲルろ過によるクロマトグラフィー操作で組換え型マウスEC-SODを精製した。組み換え型マウスEC-SODは4量体を示すものと8量体を示すものがあり、その比率は4:1程度であった。4量体に比べ8量体は高ヘパリン親和性画分に見出された。EC-SODは唯一の分泌型SODであるが、分泌後に組織中に移行し、C末端近傍のヘパリン親和性領域により細胞表面や間質結合織のヘパラン硫酸プロテオグリカンに結合して90%以上が組織中に局在し組織の酸化ストレス防御と活性酸素代謝に重要な役割を果たしていることから、EC-SODの4次構造は酵素の組織分布に影響すると考えられる。EC-SODはN-結合型糖鎖をサブユニット当たり一つずつ含み、4次構造の変換に糖鎖修飾の関与が予想されることから、本研究では組み換え形EC-SODの糖鎖構造の詳細な決定を試みた。4量体を構成する組み換え形マウスEC-SODのN-型糖鎖として26種類の異なる糖鎖構造が見出され、基本的にはコアフコースが結合した高マンノース糖鎖で、様々な比率でシアル酸を含む1-4本鎖までの複合糖鎖であった。 また、同定された糖鎖構造のうち4種類はルイスX構造、もしくはα-Galエピトープを持つことが明らかとなった。分子構造上、EC-SODのN型糖鎖は大きく分子表面に突出しており、分子の4次構造形成、および組織局在に大きく影響すると考えられる。糖鎖構造と酵素の機能の相関について、さらに詳細に検討を進める予定である。
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Research Products
(1 results)