2010 Fiscal Year Annual Research Report
パネットーネ乳酸菌が分泌する未知の食品用抗カビ性因子に関する研究
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22590567
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Research Institution | Seinan Jo Gakuin University |
Principal Investigator |
甲斐 達男 西南女学院大学, 保健福祉学部, 教授 (60331899)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
尾上 均 西南女学院大学, 保健福祉学部, 教授 (70221166)
水間 智哉 西南女学院大学, 保健福祉学部, 准教授 (40555504)
田代 幸寛 西南女学院大学短期大学, 短期大学部, 准教授 (90448481)
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Keywords | パネットーネ乳酸菌 / 抗菌剤 / DNA合成阻害活性 / 化学構造解析 |
Research Abstract |
本研究は、新規薬剤の発見を目的としている。目的物質の化学構造を明らかにし、その特性を十分に調べた上で、先ずは特許取得を優先し、その後に、学会発表および学術論文への掲載を予定している。現在、化学構造解析のためのNMR解析に供する純品を得るために、パネットーネ乳酸菌(Lactobacillus sanfranciscensis#2)が分泌する抗カビ性因子のHPLCによる分離精製を行っているところである。今回は、精製途中の粗精製品を用いて、抗菌性の作用点の解析、およびLCMSによる目的物質の同定を試みた。作用点については、DNA合成阻害活性について詳細に調べたところ、DNA Gyraseの阻害活性およびTopoisomerase IVのRelaxingとDecatenation双方の阻害活性が認められた。従って、この抗カビ性因子は、ニューキノロン系の抗菌薬と同じ作用機作を有しており、食品用の防カビ・防腐剤としてだけでなく、医薬用の抗菌剤(カビ、および、グラム陰性・陽性細菌に有効)としての効果も期待できることが明確となった。次に、精製途中の粗精製品を用いて、LC/MSを用いて、HPLC解析結果との比較により目的の抗カビ性因子の同定およびその化学構造の推定を試みたところ、ESI+モードの条件で2つの候補物質の正確な分子量が明らかとなったが、化学構造の推定までには至らなかった。そこで精度の高い化学構造の推定を行うために、次の2項目についての解析を準備しているところである。1.高活性分画および低活性分画を準備し、今回見つけたLC/MS解析条件で解析を行い、目的物質の候補を1つに絞り込む、2.目的物質についてGC/MSクラスター解析を行い、目的物質の元素組成を明らかにし、その化学構造を推定する。
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