2010 Fiscal Year Annual Research Report
特定高齢者の生活機能・身体機能・生活の質低下に及ぼす腎機能の影響に関する介入研究
Project/Area Number |
22590578
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
奥野 純子 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 講師 (50360342)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
戸村 成男 浦和大学, 社会福祉学部, 教授 (60100955)
柳 久子 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 准教授 (10241811)
田中 喜代次 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 教授 (50163514)
大藏 倫博 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 准教授 (60396611)
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Keywords | 介護予防 / 特定高齢者 / 腎機能 / 体力 / 25(OH)D_3 / 1,25(OH)_2D_3 |
Research Abstract |
特定高齢者の特徴として、転倒・ふらつきが多く、食品摂取の偏り・「閉じこもり」・日照不足によるビタミンD不足者が多い。ビタミンD不足とバランス能力・転倒・骨折と関連があると報告されている。慢性腎臓病(CKD)が増加しているが、腎機能低下と身体機能低下との関連については不明である。そこで、平成22年度の目標である(1)特定高齢者を対象にeGFRから求めた腎機能レベルの分布状況の把握。(2)腎機能低下と血清25(OH)D_3・1,25(OH)_2D_3濃度との関連を検証した結果、全解析対象者185名の平均年齢76.4±5.5(65-90)歳、男性23.8%、脳血管疾患の既往有23.1%、高血圧50.3%、心疾患8.1%、過去1年に1回以上の転倒歴有54.6%であった。開始時eGFRを10ml/min間隔に分類し、その分布は、eGFR<30ml/min:0名、30ml/min≦eGFR<40ml/min:1.6%、40ml/min≦eGFR<50ml/min:5.4%、であった。特定高齢者のeGFR<60ml/minの腎機能低下者は少ないものの、約24%おり、特定高齢者の腎機能低下も考慮する必要があることが示唆された。さらに、eGFR<50ml/minが13名と少ないため、eGFR<50ml/minをまとめ6群に分割し(以下、eGFR<50ml/min:3G~90≦eGFRml/min:8Gとする)、対象者の特性・身体機能を6群間で比較した。6群間で年齢に有意差が見られ、4Gは6G・7Gより有意に高齢であった。自己申告による身体状況は6群間で有意差はみられなかった。eGFRレベルによる6群間で教室開始前の血清iPTH濃度を比較した場合、3Gの腎機能の低いGは、他の群と比較し有意に高い値であった。また、8Gの腎機能が正常Gは1,25(OH)_2D_3濃度はその他の群と比較し有意に高い値を示していたが、25(OH)D_3濃度はeGFRのレベルによる差はみられなかった。現在、さらに対象者を増やし縦断的研究を実施している。
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