2012 Fiscal Year Annual Research Report
外国人留学生のウィルス感染防御能と結核発病のリスクに関する研究
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22590580
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
長尾 啓一 千葉大学, 学内共同利用施設等, 教授 (00111427)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 外国人留学生 / ウィルス抗体価 / 結核 / クオンティフェロン3G |
Research Abstract |
平成22年度作成の本研究協力依頼文による文書同意が得られた外国人留学生84名を対象に、23年度に臨床研究を実施し、その結果を24年度に集計、解析、検討した。 対象の内訳は、男性42名・女性42名、平均年齢は26.5歳、出身国は中国50%、インドネシア11%、韓国10%、タイ4%、その他25%(多くはアジア)であった。問診により、ワクチン接種有無を記憶していない者は、麻疹で50%、風疹で52%、水痘で44%、ムンプスで50%と、感染予防意識が低い傾向にあった。結核については罹患既往1名で、BCGについては接種済み26%、未接種21%、他は不明でやはり意識が低かった。麻疹(EIA法)、風疹(HI法)、水痘(EIA法)、ムンプス(EIA法)の抗体価陽性基準は、各々8以上、8以上、4以上、4以上とした。その結果、ウィルス抗体価陽性率は、麻疹65.5%、風疹91.7%、水痘78.6%、ムンプス56.0%であった。一方、本学日本人学生の抗体価陽性率は、各々86.0%、96.5%、92.3%、72.5%であり、留学生の抗体価陽性率は日本人学生のそれに比し、低い傾向にあった。 クオンティフェロン3G(QFT-3G)検査は73名に行われ、陽性17名、判定保留6名、陰性50名であった。同年の定期または留学生特別健康診断で撮影された胸部X線で異常所見を呈した者はいなかった。QFT-3G陽性者17名全員に再度面接を実施し、陽性=潜在性結核感染(LTBI)であることを説明し、10名をLTBI治療のため医療機関に紹介した。その他の陽性者と判定保留者には以降の定期健康診断での胸部X線検査受診励行と有症状時受診を指導した。 以上、外国人留学生は、日本人学生に比しウィルス感染への感受性者が多いこと、潜在性結核患者が多いことが判明した。この内容は第50回全国大学保健管理研究集会で報告し、公表した。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(3 results)