2010 Fiscal Year Annual Research Report
心血管マルチバイオマーカーによる過重労働者の心血管リスク進展機序解明に関する研究
Project/Area Number |
22590582
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
平井 眞理 名古屋大学, 医学部・保健学科, 教授 (90242875)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
玉腰 浩司 名古屋大学, 医学部・保健学科, 教授 (30262900)
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Keywords | 心血管バイオマーカー / 過重労働 / 心血管リスク |
Research Abstract |
近年、過重労働による壮年期の心血管系疾病有病率の増加は大きな社会問題となっている。 しかしながら、過重労働に起因する心血管疾患発生の病態生理学的機序の詳細は未だ十分解明されているとは言えない。一方、種々の心血管系バイオマーカー測定が可能となり、それらが動脈硬化進展や粥腫破綻等の病態解明のよい指標となりうることが判明した。そこで、今回の研究では、10項目以上に及ぶ心血管系マルチバイオマーカーを測定して、過重労働が心血管系リスク進展に及ぼす病態生化学的機序を解明することにより過重労働によって惹起される心血管疾患の予防戦略・リスク層別化・治療戦略の新たな展開を創生するための基盤を確立することが目的である。本年度では、過重労働者の中から25名以上の協力者を確保して、過重労働者の産業医診察を従来の如く過重労働認定月に実施し、過重労働者からwritten informed consentを得て上で、患者基本属性である年齢・性別・身長・体重・BMI・血圧等を測定し心電図牽記録し、さらに健康アンケート・メンタルヘルスチェック・採血を実施してデータベースの構築を図った。採血資料に関しては、血清あるいは血漿に分離し-80℃にて凍結保存し測定に備え可及的速やかに測定すると共に連結可能匿名化資料として一部凍結保存を継続している。一般生化学検査はこれまでどおりの契約業者にて実施し、MMP・small-dense LDL・MDA・LDL・IL-6・ホモシステイン・アディポネクチン等の特殊検査項目についてはSRL等に依頼し測定精度の確保に努め、順次測定を実施している。この中に基準値を超す症例の多い項目が見いだされ、心血管疾患発生の病態生理学的機序解明に繋がることが期待されるので次年度はさらに症例を追加して研究継続予定である。
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