2012 Fiscal Year Annual Research Report
薬のリスク等をテーマとした医療分野へのリスクコミュニケーションの応用に関する研究
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22590584
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
吉田 佳督 名古屋大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (90506635)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
齋藤 充生 帝京平成大学, 薬学部, 准教授 (30392301)
早瀬 隆司 長崎大学, 水産環境科学総合研究科, 教授 (40301361)
元吉 忠寛 関西大学, 大学院社会安全研究科, 准教授 (70362217)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 医療・福祉 / 社会医学 / 社会系心理学 / 社会学 / リスクコミュニケーション / リスクアナリシス / 認知の差異 |
Research Abstract |
医療従事者の「治験に関するメンタルモデル」を構築し検討した結果、医師と治験コーディネーター(以下CRC)の間に差異があることが解明され、そしてCRC6名のうち看護師が5名であったことから、今年度、看護師200名を対象に、医療における「認知の差異」に関するインターネット調査を実施した。 つぎに、これまでの医師と市民の間の医療用語に関する「認知の差異」の結果を踏まえつつ、薬剤師と医師のそれぞれの市民との医療用語の認知の差異について解析を行い、「患者が知っていると思う」という用語については,90の医療用語中、3用語のみ医師が高い値をとったが,87用語については薬剤師の値が高く,41用語で統計的有意差が見られるという結果が得られた。薬剤師法25条の2の情報の提供の規定に基づき,薬局等において医薬品に関する情報提供が、薬剤師により鋭意なされているが,薬剤師の方が医師よりも市民との「認知の差異」に関するかい離が大きいことを数値化して解明したものであり、有益な調査結果を得ることができた。 さらに、2日間同一のテーマを繰り返すという1日毎に独立・完結する形式で、1日目終了後に各パネリストに「市民と医療従事者の認知の差異」について,パネリストに認識してもらうという介入型のリスクコミュニケーション(以下リスコミ)を開催して得たデータを検討し、満足度を把握するための評価手法として、Visual Analogue Scale (VAS)が活用できることなどを確認した。 これらにより、医療現場に特有な「認知の差異」を数値的に解明し、医療従事者間の治験に関するメンタルモデルの差異を解明するなど、多くの成果を得た。これらの成果は、市民参加型の政策形成手法としてのリスコミを広く医療分野へ応用する上で、大きな推進力となるものである。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(5 results)