2011 Fiscal Year Annual Research Report
地域虚弱高齢者の活動・参加領域の生活機能を改善させる方策を構築するための疫学研究
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22590588
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
安田 誠史 高知大学, 教育研究部・医療学系, 教授 (30240899)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮野 伊知郎 高知大学, 教育研究部・医療学系, 助教 (00437740)
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Keywords | 介護保険 / 生活機能 |
Research Abstract |
筋力向上運動を取り上げ、介護予防成功の予知因子の有無を探索した。本検討での介護予防成功とは、介護保険非認定者の場合は追跡期間を通して要介護認定を受けなかったこと、要介護認定者の場合は追跡期間を通して要介護度が維持か改善されたことと定義した。研究協力町が、虚弱高齢者を対象に、町の保健センターで、3ヶ月間12回を1クールとして実施したパワーリハビリテーション(以下、パワーリハ)に参加した65歳以上者89人(男/女22/67人、平均年齢79.6歳、介護保険非認定/認定59/30人)を検討対象とした。パワーリハ開始時と修了時とに、質問紙による主観的健康度評価(自覚的健康状態など)と体力測定(握力、開眼片足立ち時間、ファンクショナルリーチ、アップ&ゴーテストなど)を行った。対象者をパワーリハ修了後平均836日追跡し、要介護認定状況を調査した。介護予防成功者の割合を、パワーリハ参加回数別、性別、パワーリハ開始時点の年齢階級別、各調査項目でのパワーリハ開始時に比べた修了時での改善の有無別に比較した。介護予防成功者の割合は、6回以上参加群(69人、男23%、平均年齢80.0歳)では58%で、5回以下参加群(20人、男30%、平均年齢79.5歳)での30%より有意に高かった(カイ2乗検定によるp=0.028)。パワーリハ6回以上参加群だけでの検討では、74歳以下(13人)では75歳以上(56人)より、有意に介護予防成功者の割合が高かった(100%vs48%、カイ2乗検定によるp=0.001)。体力測定と主観的健康度の項目では、パワーリハ修了時点での改善が介護予防成功と有意に関連した項目はなかった。介護予防のための介入プログラムの有効性を高めるためには、参加者の年齢を考慮しながら、プログラム参加のコンプライアンスを高める取り組みが必要と考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究協力町の地域支援事業の特定高齢者を対象に、活動・参加領域の生活機能の指標の一つである介護予防成功に関連する因子を、縦断的に検討できた。
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Strategy for Future Research Activity |
地域支援事業に参加する特定高齢者を対象に、訓練参加のコンプライアンスを高めるための個別指導プログラムを策定する。生活機能の活動・参加領域の改善者の比率を、訓練参加のコンプライアンスを高める個別指導を行なう前の期間の研究参加者と、その個別指導を加える後の研究参加者との間で比較する。
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Research Products
(10 results)