2011 Fiscal Year Annual Research Report
介護施設の生活環境とサービスに対する認知症高齢者のニーズ
Project/Area Number |
22590593
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
繁田 雅弘 首都大学東京, 人間健康科学研究科, 教授 (90206079)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
籔脇 健司 吉備国際大学, 保健医療福祉学部, 准教授 (20347280)
古賀 誉章 東京大学, 工学(系)・研究科(研究院), 助教 (40514328)
山田 あすか 東京電機大学, 未来科学部, 准教授 (80434710)
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Keywords | 環境 / 認知症高齢者 / 介護老人福祉施設 / 介護老人保健施設 / 包括的環境要因調査票 / 環境支援 |
Research Abstract |
介護老人福祉施設と介護老人保健施設は、療養の場ではなく生活の場であり、環境要因が認知症高齢者に与える影響がきわめて大きい。したがって認知症高齢者のQOLの維持・向上のためには、適切な環境支援が不可欠であるが、従来の支援は一般高齢者の調査や認知症高齢者の行動観察に基づくもので、利用者のニーズをふまえたものではなかった。それは、認知症高齢者が状況理解や意思表示が困難になっているためであった。本研究では一定の経験を有する介護専門職を対象とし、"自らが認知症を罹患し、施設に入った場合"を想定し、生活環境やサービスに対するニーズを調査・検討し、認知症高齢者の環境支援に資するデータを得ようとした。毎年、全国主要都市12か所で開催されている「地域における認知症対応実践講座」に参加した認知症ケア学会会員または認知症ケア専門士を対象として、1700を超えるすでに予定していたデータをほぼ収集することができた。 調査票は、在宅高齢者を対象とした環境要因の評価ツール「包括的環境要因調査票、以下CEQ」 と認知症高齢者を対象とした「認知症高齢者への環境支援のための指針、以下PEAP」の評価項目に準じて作成した。CEQの5領域(1.社会的、2.物理的、3.制度的、4情報的、5.宗教的)、およびPEAP日本語版の中項目(1.見当識への支援、2機能的な能力への支援、3.環境における刺激の質と調整、4.安全と安心への支援、5.生活の継続性への支援、6.自己選択への支援、7.プライバシーへの確保、8ふれあいの促進)について施設での生活にあてはめて検討して作成した。基本的な集計を終え、今後主成分分析やクラスター分析などを用いて詳細な形跡を行っていく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画では、データ収集が3年目に入っても行うことを想定していたが、順調にデータがあつまり、2年目でデータ収集を終えることができた。3年目は、データ解析に集中することができる点、部分的には計画以上に進展しており、全体として順調に進展していると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画に沿って遂行する。得られたデータから、様々の背景やライフスタイルを持った認知症高齢者の環境支援において、普遍的に求められるニーズと、より個別性の高いニーズを抽出することを目的に、主成分分析やクラスター分析を行う。
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