2012 Fiscal Year Annual Research Report
介護施設の生活環境とサービスに対する認知症高齢者のニーズ
Project/Area Number |
22590593
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
繁田 雅弘 首都大学東京, 人間健康科学研究科, 教授 (90206079)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
籔脇 健司 吉備国際大学, 保健医療福祉学部, 准教授 (20347280)
古賀 誉章 東京大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (40514328)
山田 あすか 東京電機大学, 未来科学部, 准教授 (80434710)
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Project Period (FY) |
2010-10-20 – 2013-03-31
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Keywords | 介護老人福祉施設 / 介護老人保健施設 / 環境 / QOL / 認知症 / 最期 / 高齢者 / ニーズ |
Research Abstract |
介護老人福祉施設や介護老人保健施設は療養の場ではなく生活の場であり、環境要因が認知症高齢者に与える影響がきわめて大きい。したがって認知症高齢者のQOLの維持・向上のための環境支援が不可欠であるが、従来の支援は一般高齢者の調査や認知症高齢者の行動観察に基づくもので、利用者のニーズに基づいたものではない。なぜなら認知症高齢者はその障害のため自らのニーズを表示することが困難だからである。そこで本研究では、認知症高齢者のケアに携わる専門職を対象とし“自らが認知症を罹患して施設に入った場合”を想定して回答してもらう形式の調査を計画した。「自らが人生最期までの時間を過ごす施設として整えてほしい条件」について、あるいは「最期の時間を過ごす場所を自分で選べるとしたら、どういった基準で施設を選ぶか」について調査した。 その結果、認知症が軽度の段階では、6割が在宅(戸建希望が78%)で「家事」「テレビ・ラジオ」「団らん」「散歩」「趣味」などをして過ごすことを希望し、認知症が進行し高度になった段階では、「車いす」「おむつ」を‘使わず’、「食べ方」は‘形のままで’、「胃ろう」は希望しない者が多かった。また、軽度(FAST4)の段階を施設で過ごす場合は「プライバシーへの配慮」「見当識への支援」「病気やけがへの対応」、「緊急連絡体制」、「環境の調整」「自立支援の工夫」「個室(個室を選べる)」などの希望が多く、高度(FAST6)では、「病気やけがへの対応」、「緊急連絡体制」、「転倒・転落防止」、「スタッフを探せる」、「環境調整」などを希望した。人生の最期の半年間を過ごす場は、「明るい」、「静か」、「穏やか」などを希望し、「暗い」、「冷たい」、「うるさい」、「汚い・不衛生」などを嫌った。以上の結果は、今後の施設環境整備のための貴重な資料になると考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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