2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22590597
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
勢戸 祥介 大阪府立大学, 生命環境科学研究科, 准教授 (70270759)
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Keywords | ノロウイルス / ウイルス様中空粒子 / モノクローナル抗体 / 組織血液型抗体 |
Research Abstract |
1997年~2009年に大阪市内で検出されたノロウイルス遺伝子型GII.6(NVGII.6型)46株のカプシッドNS領域の分子系統解析により3つの遺伝的クラスター(C1~C3)に細分され、2008/2009流行期に多発した施設内集団発生由来NV15株中13株はC2に属していた。各クラスターの遺伝学的変異と抗原変異を明らかにするために、7株(C11株、C22株、C32株)のカプシッド領域を単離しバキュロウイルス発現系を用いてウイルス様中空粒子(VLP)を作出し、マウスに腹腔内投与により免疫するとともにNVの受容体候補である組織血液型抗原(HBGA)との結合性について検討した。 NVGII.6型7株のカプシッドのアミノ酸配列の相同性は88.8~98.9%でアミノ酸置換の部位は各クラスター内において類似していた。いずれの株もHBGA結合部位は保存されていたが、C2およびC3株においてHBGA結合部位近傍にアミノ酸3残基の欠失が認められた。C2由来VLPに対するマウス高度免疫血清を用いて各種VLPとの反応性を調べたところ各クラスターにおいて抗原性に差が認められた。 各種NVに対するモノクローナル抗体を用いたサンドウィッチELISA法の確立にはいたらなかった。唾液中の組織血液型抗原(HBGA)を捕獲用に用いたELISA法では、検出抗体にモノクローナル抗体を用いた場合ウイルス粒子を検出するに至らなかったが、高度免疫血清を用いることによりウイルス粒子が検出可能となった。 ノロウイルスの分子系統解析により、検出数は少ないながら遺伝子群IにおいてNVGI.7型やGI.9型、遺伝子群IVにおいても周期的な流行像が認められた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
唾液中の組織血液型抗原をノロウイルス様中空粒子の捕獲用に用いる事により、抗原性にあわせてHBGA結合能についても検討できるようになった。NVGII.6VLPを抗原としてモノクローナル抗体の作成を実施している。
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Strategy for Future Research Activity |
NVGII.6の各クラスターのHBGA結合能を調べHBGA結合部位近傍の変異がHBGA結合能に及ぼす影響について検討する。また、他の遺伝子型でも同様の変異が認められるか検討する。
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Research Products
(1 results)