2011 Fiscal Year Annual Research Report
下痢抑制に及ぼす難消化性糖質経口摂取による腸内細菌由来水素ガスの影響に関する研究
Project/Area Number |
22590599
|
Research Institution | University of Nagasaki |
Principal Investigator |
中村 禎子 長崎県立大学, 看護栄養学部, 助教 (60382438)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
奥 恒行 長崎県立大学, 看護栄養学部, 教授 (50010096)
|
Keywords | プレバイオティクス / 水素ガス / 下痢抑制作用 / 難消化性糖質 / 腸内細菌 |
Research Abstract |
下痢は高齢者や小児のみならず、経管栄養療法下の患者などで誘発する健康問題である。本研究の最終目的は、下痢抑制機序に関連する要因を、難消化性糖質摂取によって生じる腸内細菌叢の変化、ならびに腸内細菌の代謝産物である有機酸や水素ガスなどの腸内細菌由来代謝産物に着目して検討し、その成果を経管栄養剤等の改良・開発に寄与することである。本年度は、本研究の仮説の一つである抗酸化に関連する指標を中心に検討した。加齢に伴って下痢を誘発するとされているSAMP6を、難消化性糖質であるフラクトオリゴ糖(FOS)および難消化性高分子多糖であるグルコマンナン(GM)を用いて飼育し、尿中、血液中ならびに肝臓中における酸化および抗酸化に関連するマーカー測定した。コントロール群はAIN93精製飼料で飼育した。また、通常ラットをフラクトオリゴ糖で飼育し、ラットの排出する水素ガス量を測定してコントロール群と比較した。その結果、SAMP6では、コントロール群に比較してFOS群およびGM群における酸化ストレスマーカーが低値を示した。また、炎症性サイトカインもFOS群およびGM群では低値であった。一方、通常ラットにおいては、FOS群の水素ガス排出量はコントロール群のそれに比較して有意に高値を示した。これらの結果を昨年度に得られた、盲腸内細菌叢、盲腸内短鎖脂肪酸濃度、消化管組織における変化等の結果とともに検討し、腸内細菌由来の代謝産物と下痢抑制に関連する因子の相互関連性について解析する予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
要因を検討するための基礎データをほぼ蓄積した。
|
Strategy for Future Research Activity |
本補助金による研究は本年度が最終年度である。したがって、データの再現性の検討ならびにブラッシュアップを行い、不足のデータを取得することを最優先して進める。現在までに得られた情報について、解析を行う。基礎データの収集に時間を要したので、本年度には論文として公表したいと考えている。
|
Research Products
(2 results)