2011 Fiscal Year Annual Research Report
発達性吃音の早期介入プログラムの構築 ―地域連携を目指して―
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22590605
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
原 由紀 北里大学, 医療衛生学部, 講師 (50276185)
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Keywords | 発達性吃音 / 早期介入プログラム / 地域連携 / Lidcombeプログラム |
Research Abstract |
本研究の目的は、発達性吃音児に対して、発吃後早期に介入を開始することにより、その治癒率を上げ、進展した吃音になることを予防することにある。短期間で効率的に、どの地域でも実施可能な早期介入システムの構築を目指す。 当該年度は、早期介入プログラム構築にあたって、予備的に、少数例で、初期評価からプラグラムの実施、セッションン毎の評価、終了時評価までの一連の過程を行い、実施にあたっての課題や問題点を探りだした。主な実施内容と検討課題は以下の通りである。 1.初期評価について、北里大学病院で、初診時に、気質面のスクリーニングとして用いている質問紙Strengths Difficulties Questionnaire(SDQ)の結果を分析し、研究協力者の大沼が日本音声言語医学会で報告した。平成22年度1年間に吃音を主訴として来院した4歳以上の21症例の結果であった。吃音児の予後を気質面から検討する有意義な資料となると思われ、今後の縦断的データの蓄積を予定している。 2.家族による吃音児の評価の実施を、方法、記録用紙を改変しながら行った結果、複数の母親が、ほぼ言語聴覚士と共通の評価を行うことができるようになることがわかった。 3.介入として、Lidcombeプログラムを実施し、方法などの問題を抽出した。 4.日本音声言語医学会学術集会において「吃音の治療」というシンポジウムの中で発言の機会を得て小児の直接的アプローチというタイトルで、早期介入システムの紹介を行ない、全国の言語聴覚士、耳鼻咽喉科に啓蒙的働き掛けを実施することができた。 5.相模原市は平成22年に政令指定都市となり、様々なシステムが変更となったため、地域からの対象者募集を当初の予定よりも延期し、北里大学病院へ受診した児を対象として、上記の内容を行ってきた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
大学病院で行う介入システムに関する準備は予備的試行もふくめ順調に行われている。 地域のシステム変更があったために地域における対象者募集と、その後の介入システム実施については、延期している状況である。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は、現在進行中の介入例のデータを蓄積、分析するとともに、地域から対象者を募集し、介入システムを実施する予定である。 研究成果の一部を7月にフランスで行われる7th World Congress of Fluency Disordersで発表するとともに、最近の吃音研究の動向についての情報収集を行う。
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